第4話 摩訶不思議な昆虫という生き物
昆虫はその小さい体にスペシャルなものを2つも持っている。1つは飛べる羽を持つこと。そして、極めつけはこれであろう。姿がまったく変わること。ここで生物学の用語である『変態』を使いたいのだが、この語の意味するところは少しややこしい。いずれにしろ、これらのおかげで、まさに大繁栄である。今日もセミはうるさいぞ。
ところで、昆虫の祖先としてトビムシが推定されている。一応、足が6本など共通点があるのだが、しかし、これは羽もないし、変態もしない。なので、将来、ひっくりかえる可能性が無い訳ではない。実際のところ、かつて、トビムシは昆虫に分類されていたのだが、現在は除外されている。
で、まずは羽の話だが、これは上の『変態』という用語と結びつく。恐らく『変態』というと、芋虫が蝶になったり、ボウフラが蚊になったりを想い浮かべると想う。実際、これは『完全変態』とされ、途中で
それで、
ウルトラCを決めてくれるのは、『完全変態』の方である。進化ということを考えると、どうして、こうした生き物ができたのか分かりづらい。とにかく、幼虫と成虫では姿がまったく異なるので、環境への適応も全く異なる。
基本的に生物はその一生で進化の過程を繰り返すといわれる。分かりやすいのがカエルである。あらゆる生命は海から上がって来た。そもそもは水中での生活に適したオタマジャクシ、それから足が生えて、陸上でも生きていけるカエルになる。
なので、最初は芋虫であり、そのまま一生を終えたのか? 芋虫だと何だと想われるかもしれないけど、ボウフラだったら、なるほどとなるのではないか? トンボの幼虫のヤゴだっている。なるほど、そういうことかと想われた方。残念なお知らせがあります。実は終生、水中で暮らす昆虫はいないのである。ここら辺は進化史の迷宮と言ってもよいところ。
とにかく、『完全変態』するものについていえば、突然変異の行き当たりばったりで色んな成虫の姿を試したのか? それでうまく行ったものだけが、生き残れた? しかし、そんなのとんでもなく確率が低いだろうと想う。
この『完全変態』するものの中には更に難易度の高いものに挑んだものがいる。まずは蝶である。ご存じのように、幼虫は葉を食べ、成虫は花の蜜や樹液を吸う。カブトムシも変わる。幼虫は腐葉土、成虫は樹液である。やはり、ここでも試行錯誤の結果ということなのだろうか。
トンボは、ずっと肉食であるが、幼虫(ヤゴ)の時は水生なので、獲物は変わる。
ちなみに、セミは変わらず、ずっと樹液である。恐らくこのタイプが最初なんだろうとは想う。今日もセミがうるさいぞ。そんな夏の日に書いたエッセイでした。
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