第11話 知識

「守君は匡の武器を全部見たかい?」

 書斎でいつも通りに仕事を終えた後、匡さんが帰ってくる間に必ず導さんが仕事に関することをテストのように聞いてくる。昨日は匡さんを強制帰還させる方法を聞かれたが、今日は違うようだ。

「ナイフと双剣しか見たことないですが、他にあるんですか?」

 基本的に素早さを活かした戦法を得意とする匡さんは小回りの利く武器を愛用している。死神の方々は太刀や大剣、大鎌を使っているのをよく見るが、匡さんはそれらを持っている姿すら見たことが無い。

「悪魔を逃がさないように鎖を使うことがあるのだけれど、最近は使わないね。守君が的確なナビをしているおかげかな? 以前はよく鎖で悪魔の足止めをしていたのだけど……」

 ナビの機能で書斎にあるパソコンから遠隔攻撃できるのだが、攻撃だけでなく煙幕を作ることも可能だ。取り逃がす前に煙幕で悪魔の視界を奪い、始末してもらうことはよくある。今日も煙幕を作ってから悪魔の死角から攻撃をしてもらったのだ。

 たしかに匡さんが足止めをする必要は、僕がしっかりしていれば必要ないだろう。

「その三つが匡さんの武器なんですね。覚えます」

「ナビをする上で情報は多い方がいいだろう? 匡の武器以外にも、様々な情報は持っていて邪魔にはならないだろうね」

 書斎で悪魔について調べたが、それ以外にも僕は勉強しなければいけない事が沢山ありそうだ。僕は素直に頷いた。

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