お見合い写真

 独身の俺はある日、職場の上司である課長にお見合いを勧められた。正直あまり気が進まなかったが、課長が「せめて写真だけでも見てくれ」と言ってきたので、お見合い写真を見てみるととんでもない美人が写っていた。


「課長、いくらなんでも変ですよ。俺がこんな綺麗な人とお見合いだなんて…何か裏があるんじゃないですか?」


「そ、そんなことないさ。ただ、すこーし訳ありということは聞いているが……」


「訳あり……ねぇ」


 まあ、そんなことだろうと思っていたが、どういう訳だろうか。もしかしたらこの写真自体かなり盛ってるんじゃないだろうか。今時写真を加工して数段上の美人にすることぐらい簡単だろうし。それとも性格が悪いのだろうか。


 俺は色々考えたが、結局お見合いをすることになった。加工写真である可能性もあるけれど、これだけの美人に会わないのは勿体無い気がしたからだ。


 次の日休みの日、俺は課長と共にお見合いの場所へと向かった。


「初めまして、どうぞよろしくお願いします」


 お見合い写真に写っていた通りの綺麗な女性が、丁寧に挨拶してきた。あの写真は加工などしていなかったのだ。それに優しそうな雰囲気の人で性格も良さそうだった。


 確かに顔は写真の通り。しかし彼女の身長は50メートルを軽く超えており、その辺のビルより高いのだった。









「うーん、少し大きな人だけど、美人だしなんの問題もないな!」


 お見合い相手を気に入った俺は即座に交際を申し込み、しばらくして結婚。今は夫婦2人で幸せに暮らしている。

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