殺人熊の恐怖

 俺は猟師。熊や猪といった獣を猟銃で駆除するのが俺の仕事だ。


 ある日、とある村に熊の駆除の依頼を受けてやって来た。村に着くと村役場の職員が俺を出迎えてくれた。


「よく来てくれました。本当にあの熊には困っているのです。あの熊に襲われて、村の猟師が既に5人もやられています」


「なるほど、危険な熊ですね」


 季節は冬であり、本来熊は冬眠している季節。しかし、何かしらが原因で冬眠できなかった熊が冬に徘徊することはたまにあり、そういう熊は気が立っていて危険なのだ。しかし、俺はそういう熊も何頭も駆除してきた実績がある。


「大丈夫です。安心してください、このような案件は今までいくつも解決してきましたから」


 俺が胸を張っていったが、職員は不安そうに言う。


「しかし、くれぐれも油断はしないでください。あの熊は力が強いだけでなく、とにかく頭がいいんです。実際に村の経験豊富なベテラン猟師が5人も殺されているわけですから、くれぐれも気をつけてください。本当にアイツは頭が良い熊なので……」


 職員は何度も何度も念を押して言った。よっぽど賢い熊らしいが、長年猟師をしている俺の敵では無い。俺は準備をして、雪の積もった山の中へ入っていった。


 山に入ってすぐに熊の足跡を見つけ、さらに木の皮を爪で剥いだ跡も見つけた。


「まだ跡が新しいな。近くにいるな」


 俺は猟銃を構える。


 その時だった。草むらから巨大な熊が姿を現したのだった。


「出やがったな! 一撃で仕留めて……何!?」


 俺は熊を見て驚いた。なぜならその熊は手に猟銃を握り、俺に銃口を突きつけていたからだ。


 俺が怯んでいる隙に熊は弾を発射。俺は脳天に弾丸を喰らい、そのまま息絶えてしまった。

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