募金活動
「世界では毎日満足にご飯を食べることができない人たちが沢山います。飢餓に苦しむ人たちのために募金にご協力くださーい!」
ある日の夕方、俺が町を歩いていると募金活動をしている集団に出くわした。俺はその集団を無視して先に進む。飢餓に苦しむ人たちのことは確かに可哀想だとは思うけど、いちいち募金していたらキリがない。
歩いた先でまた別の集団がいた。
「現在血液が不足しています。献血にご協力くださーい!」
どうやら献血に協力してくれる人を集めているようだ。しかし、俺はその集団無視して先に進む。献血に協力したい気持ちもあるけど、時間がかかりそうだし、第一俺は注射が嫌いだ。
そして、さらに歩いた先でまた別の集団がいた。どうせまた募金活動か何かだろう。俺はそのまま素通りしようとした。
「現在満足にご飯を食べることもできない私たちの仲間が大勢います! 飢餓に苦しむ仲間のためにどうか献血にご協力をお願いしまーす!」
俺は足を止める。なんかあいつら変なこと言っているような。「飢餓に苦しむ仲間のために献血をお願いします」とか言ってた。さっきの募金と献血の集団が言っていた事を混ぜたような文句だけど、普通飢餓に苦しむ人を助けるためなら、募金を募るものじゃないだろうか。不思議に思った俺はその集団の方を向く。
「け、献血をお願いしまーす……お願いします……このままでは私たちも仲間も餓死してしまいまーす……」
そこには道ゆく人たちに献血をお願いする、餓死寸前の吸血鬼たちが大勢いた。
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