クリスマスの友

 夜、俺がふと時計を見るともう0時を過ぎていた。日付が変わって今は12月25日。


「はぁ、今日はクリスマスか。今年も彼女ができなかったな。きっと来年もこうやって1人寂しく過ごすんだろうな」


 酒を飲みながらそんなことを考えていると、涙が出そうになってきた。


 そんな時、突然の窓をノックする音が聞こえた。


「あれ、外に誰かいるのか? いや、そもそもここは5階だ。どういうことだろう?」


 俺は窓を覗き込み、そして驚いた。


 なんと部屋の外にサンタクロースがいたのだ。ちゃんとソリに乗っているし、トナカイもいる。


 窓を開けるとサンタは挨拶してきた。


「メリークリスマス! はい、これプレゼントだよ!」


 サンタは綺麗にラッピングされた小さな箱を俺に渡してきた。突然のことに驚きながらも、俺はサンタに質問する。


「あの、あなたサンタクロースですよね? 普通サンタって子どもたちのところへ行くものじゃないんですか?」


 サンタは頷く。


「ああ、今までは恵まれない子どもたちのところへ行ってたんだけどね。最近では恵まれない子どもよりも恵まれない大人の方が多くなっていてね。今年から大人にもプレゼントを渡すようになったんだ。私は恵まない成人男性の担当でここに来たんだ。迷惑だったかな?」


 俺は首を大きく振る。


「とんでもない。寂しくて泣きそうになっていたところです。すみませんもう大人なのに……」


 サンタは笑う。


「いや、遠慮することはないさ。残念ながら大したプレゼントじゃないけど、まあ気が向いたら使ってみてくれ。では!」


 そう言ってサンタを乗せたソリは飛んで行ってしまった。


「一体何をくれたんだろう」


 俺はすぐに包装を剥がして中身を見てみる。そして中身を見た途端、俺は大笑した。


 中にはオナホールが入っていたのである。


「なるほど! 子どもならおもちゃをもらえるけど、大人には大人のおもちゃってわけか! こりゃ可笑しい、アハハ!」


 俺は大いに笑った。涙が出るほど笑った。そしてひとしきり笑ってから、今日プレゼントされた「クリスマスの友」を泣きながら使用するのであった。

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