秋
ある秋の休日。俺は珍しく早起きをした。
窓を開けると爽やかな空気が部屋に流れ込んでくる。暑すぎず、寒すぎないこの秋の気候が俺は好きだ。
「早起きしたことだし、何かしようかな」
そうだ、読書の秋とも言うから本でも読もうか。久しぶりに紙の本を買って、どこかでゆっくり読むのもいいかもな。
いや、秋と言ったらやっぱりスポーツの秋か。最近運動不足だから、広い公園にでも行ってジョギングでもしようか。
いやいや、秋と言えば食欲の秋だろう。秋は旬のおいしいものも多いし、どこかに食べにいくのもいいかもしれない。
俺は迷った。しかし、迷えば迷うほどこの貴重な秋の休日は過ぎていってしまう。
「ええい! 迷うのは辞めだ! こうなったら全部いっぺんにやってやるぞ!」
そして、俺はそれを実行した。
まず、本屋で文庫本を買い、それを家で油で揚げて天ぷらにした。そして、公園まで行き、高い木の枝にロープ使って文庫本の天ぷらを吊るし、それを口に咥えようとパン食い競争のようにジャンプする。数十分ジャンプし続けた末に、俺は見事に文庫本を天ぷらを口に咥えることに成功した。
その後文庫本の天ぷらを完食した俺は、当然腹を壊して入院。退院して本調子に戻る頃にはもうすっかり秋は終わり、寒い冬になっていた。
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