猫の召使い

 俺は1匹の猫を飼っている。独身で一人暮らしなので、家には俺と猫しかいない。唯一の家族の猫を俺は何よりも大事にしている。


 ある日スマホでネット記事を見ていると、興味深い話が書かれていた。


 飼い猫というのは飼い主のことを召使いか何かだと認識しているのだそうだ。


 飼い犬は餌をくれて世話をしてくれる人間を自分の主人として認識してくれる。猫は逆に「こんなに世話を焼いてくれるということは自分は偉い存在で、人間は自分の家来なのだ」と思い込んでいるらしい。


 本当かどうかはともかく、気まぐれな猫の性質を表した面白い話だと思った。




 俺は床に寝転がっている飼い猫に声をかけるてみる。


「なあ、お前は俺のことを召使いだと思っているのかい?」


 猫はめんどくさそうに答える。


「はぁ? そんなこと思っているわけないだろ。それより私のおやつがそろそろ無くなりそうだ。買って来てくれ」


「あ、そうだった。じゃあ行ってくるよ」


 俺は猫の命令通り、猫のおやつを買いに家を出た。

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