安楽死

　安楽死が合法化され、どんな人でも安楽死による死を受けられるようになった。


　とある実業家は安楽死合法化をきっかけに、どんな人でも安楽死を簡単に行える施設を作った。


　施設には安楽死に詳しい専門家たちが集まっており、その人に合った死に方を提案し、実行してくれるのだ。


　恋人に先立たれた若い女性、仕事で毎日苦しんでいる中年のサラリーマン、長い間病気で寝たきりになっている老人などさまざまな人が施設を訪れ、皆満足して安らかな最後を迎えていた。


　施設の経営は好調で実業家は満足していたが、ある時重大な問題に気が付き、頭を抱えた。




「困った、この施設にはリピーターが1人も来ない」

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