鈍感系主人公

 俺の幼馴染はとんでもなくわがままで嫌なやつだ。いつも俺のことを馬鹿にして悪口ばっかり言ってくる。



「友達がいなくて寂しい思いしてるアンタのために一緒に登校してあげてるんだから感謝しなさいよね!」


「ど、どうせ休みの日も暇なんでしょ? たまたま遊園地のチケットが余ってるから連れていってあげるわ。アンタ休日に遊ぶ友達もいないんでしょ?」


「今度の日曜日に買い物に付き合いなさい! た、ただの荷物持ちに決まってるでしょ?」


 こんな風にいつも暴言を吐いてくる。当然彼女の誘いは全て断っている。それもあまり怒らせないように角の立たない断り方をしているつもりなのだが、なぜか彼女はますます怒り、暴言は日に日にひどくなる一方。もう俺は限界だ。


 そしてある年のバレンタインデー、また幼馴染は俺に突っかかってきた。


「これあげるわ。感謝しなさい。べ、別にアンタのために作ってきたわけじゃないから。本命チョコ作ろうとしてて失敗してできた廃棄物だから。どうせ1個もチョコレートもらってないだろう哀れなアンタに恵んであげるだけなんだからね!」









 その瞬間俺の中で何かがキレた。


 俺は幼馴染を思いっきりぶん殴った。悲鳴を上げる間も無く、あいつは吹っ飛び、窓を突き破ってそのまま校舎の外に飛んでいった。


 人が大人しくしてたらいい気になりやがって。舐めるんじゃねーぞ、このクソ女が。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る