第13話1月6日『マダンテパナしてスカウトされたw』




「なんでニートがここに?」


「お前の身元を調査しても何も見つからなくてな。ぽっぽがお前といたのを思い出し、その辺りを調査したらホクサイは異世界人ということが判明。レーマ国王に許可をいただきセイコの家に転移させてもらった」



 なるほど?




「日本はどうだ?」


「いい街だ。知らんものが多すぎて慣れるのに時間が必要だろうが」


「ホクサイ、水」


「ごめんごめん忘れとった」


 水を頼まれてたのだった。


 左手を伸ばしてウォーターピッチャーに手を伸ばす。


「ホクサイ、その手――!」


「ああこれね」


「神と接触したのか!」


「うん」


 珍しく大きな声を出してる。一般人に聞かれたらやばいやつだと思われるからやめてほしい。


「神の名は?」


「聞けなかった」


「試したいことがある。レーマ王国に来てもらえるか?」


「別にいいよ」


 試したいこと。



 おそらく天賦をぶっ放していいということ。


 行くしかない!


「ホクサイ、水」


「ごめんなさい」


 今度こそ、水を入れてやった。



◇◆◇◆◇



 牛丼を食べ終えた俺とイグニートは何者かによって壁が破壊された闘技場に来た。これだけ頑丈に見える壁を壊したのだ、きっと物凄いやつなのだろう。


「いいぞ」


「壁壊しちゃうぞ?」


「内側からの魔力による衝撃は無くなるように作られた壁だ」


「ごめん」


「――――」


 魔力を全身から放出する勢い。


 身体強化。


 もっともっと大量に。


 まだいける。


 いい感じ。


 もうちょっと。


 よし、このくらいで――――。




「いくぞ」


 返事はないが大丈夫だろう。


 俺は地を蹴り10メートルほど飛んだ。


 右手を前に突き出し、息を吸って――――、腹から声を出す。



「っマダンテえええええええええ!」



 俺の黒い腕は赤く光り、手のひらから何かが出た。


 前回とは異なり白い閃光。


 それは闘技場の壁に10回ほど反射し、消滅する。

 ここで俺は地面に着地。

 これで終わりかと思いきや続きがあった。


 先行が当たった場所10ヶ所ほどが輝きだし爆発したのだ。


 壁が崩れることはなかったが、威力は確実に強化されている。


「すごいな」


 気がつくと後ろにイグニートがいた。


「なんに使うんだよこれ」


「お前の力、使い方を思いついた」


「どんな?」


「お前、騎士団に入れ」


 スカウトされた。

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