第2話1月1日『異世界人到来の原因が判明したw』




「姉貴、どう言うこっちゃ」


「ピンポンなって、出たらホクサイ探し出してたからうちに入れた。だめ?」


「いや良いけど!父さんは?母さんは?」


「可愛いから良いって」


 おいおい最高か!?


「名前!名前は?」


「ぽっぽだってー」


「ぽっぽか〜!よろしくな〜ぽっぽぉ!」


「よろしく」


 かああああああああ!わいい!かわ!E!

 脳のバグを治したのは『LINE!』というスマホの通知音。


『3日に会おうよ』


 2秒で『OK』のスタンプ。

 これはデートォ!


「待て待て待て!待てい!」


「どったの?弟」


「俺には選ぶ権利、いや義務?が生まれてしまった」



◇◆◇◆◇



 我が家に雑煮を食す習慣はない。普通に祖母の家でカレー食べて終わり。お年玉は遠慮しといた。ぽっぽはもらってたが…。行き30分、滞在時間120分、帰りも30分。

 つまり三時間後家に到着。そんでセイコさんがゲロ吐いてるのが見えた。いつも大変そうだけど今日はやばそうだ。家族とぽっぽは家に入ったが、話しかけてみる。


「大丈夫っすか?」


「だいじょばない」


「どうしたんすか?」


「どうもしてない」


 どうもしてなくねぇだろ。これは完全に酔ってる。


 一度家に入り、いろはすをあげた。俺はまだ酒飲んだことないけど酔った時は水飲むみたいなことは知ってる。


「ありがと。ありがとう。――――ありがとう」


 泣きながら感謝。卒業式かよ。


「うちくる?」


 行くしかないだろう。だろう!


「いきまっす」


 助けなきゃだし!俺は酔っ払いを救命してやるのだ。邪な考えなんて一切ない!そして救命からの国民栄誉賞獲得。



◇◆◇◆◇



 家の中。絵の具が飛び散りまくってる。家ん中でスプラトゥーンやってんじゃないかと思うぐらいだ!スプラトゥーンは家でやるものだが…。ゴミ袋が一つ、二つ、三つ?洗面台には皿が積まれている。そして、臭い。匂いは生ごみの匂いをエナジードリンクが塗り替えしているようだ。まさにchaos!


「やばくないですか?掃除しましょう掃除!」


「えー」


 乗り気じゃないみたいだが、関係ない。俺は乗り気。まずは床の足場を確保して…。


「なんすかこれ」


「魔法陣」


「――――」


「異世界と繋げて異世界人を呼び出す魔法陣。結局来なかったよ…。私の5年間は無意味だったわけだ…」


「いやいやいやいや!きてたぞ今日!」


 俺はカーテンを乱暴に開ける。そして自分の部屋の窓を見ると――――、


「ほら!きてるぞ!異世界人!」


 ぽっぽと姉がゲームをしていた。



◇◆◇◆◇



 俺の部屋にて、俺、ユキノブ、セイコさん、ぽっぽの四人で少し話をした。


「そっか〜!ぽっぽちゃん!かわいいね〜」


 セイコさんが気持ち悪い反応をしている。


「じゃあぽっぽはセイコさんの家に住むんで良いよな?」


「よろしいね〜。ぽっぽちゃんいこっか?」


「うん!」


 二人は部屋をスキップで出て行った。


 整理するとセイコさんは高校の時から受験そっちのけで魔術の研究に勤しみ、家族にも家を追い出され、やっと完成した魔法陣を起動させるも大失敗。みたいな感じの人だった。といっても実験は大成功して無事ぽっぽを手に入れたわけだが。たまに会いに行こう。


「姉貴。そういえば3日に遊び行くことになった」


「ついてこ」


「やめろ!そんで服とかどうしよう」


「それで良いじゃん」


「ジャージ上下なんだけど」


「じゃあ明日私が買ったげるよ。私は金持ちだから」


「あんた大学生だろ?パパ活とかしてないだろうな?」


 あれを身内でやられたらすごいやだ。


「してないわタコ!バカガキ!去年トーキョーの神社に詣でた時『金が増えるように』って祈ったら次の日洗濯カゴにバカみたいに札が詰まっててさ!言ってなかったっけ?」


「聞いてねぇわ!なんだそれ!?てかLINE交換しよ?」


 神の仕事が雑になっている気がする。マジで大丈夫なのか?


「ほい!」


「速いなってプロフ画像札にするとか頭湧いてんのか!」


 姉は昔からバカである。電柱に登って降りられなくなったりするバカである。


「だって友達三人しかいなかったし――――」


「それはマジごめんだわ」


 嗚呼、同志よ。


「じゃあ明日早く起きて。買い物行くからね!」


「はーい」


 俺の明日の日程が決まった。


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