俺氏、暇とは最高の贅沢だと悟る

 なんやかんやありつつ、英雄学園での1週目の授業が終わり、土日となった。

 1週間、正確に言えば5日間英雄学園に通ってみた感想として、これからも割と楽しくやれそうだけど、多分暇になりそうだなって感じた。

 

 楽しくやれそうな理由として、モブイという友人も出来たし、原作で好きだった先生達に会えたのはかなり楽しかった。

 アーゲインストと出会うという思わぬハプニングもあったが、まあ結果的には俺の部下?になって研究してくれるからハッピーエンドだ。

 

 ただ、それだけといえばそれだけかもしれない。

 授業の方は楽しいか楽しくないかでいえば、多分何もしなくても全て満点評価貰えそうだし、楽しくないなって感じだ。

 だって、俺最強だもん。


 それこそ全ての授業が俺にとってみれば冷やかしのようなものでしかしない。

 真面目に授業を受けている学生たちには割と申し訳ないとは思うが、世界最強であり神すら超えている俺の実力、表の身分だけでもこの国の公爵家よりも偉いアンクル商会の十二統括者の一人。

 原作知識もあるし、この世界の魔法や魔術において未来でより発展する知識も多少は持っている。

 数学とか科学という分野に至っては元々いた地球というこの世界よりはるかに進んだ文明を持った世界のものを持っている。

 そんな俺が何を学べという話だ。


 例えるなら、大学生が小学生低学年の授業を受けているようなものだ。

 いや、本当に何を学ぶねんって話だ。


 初回の授業ということで多少の新鮮さもあったが、ベロア先生との魔道術講座(意味深)以外は俺の学びになってないからな。正直魔道術も今の俺からしてみればあってもなくても正直誤差のようなものかもしれない。

 暇だったら授業を受けてもいいし、もしかしたら何か楽しいイベントがあるかもだけど・・・。何というか乗り気がしないなってのが本音だ。


 俺の中の学生生活の楽しさっていうのは、面倒面倒いいながら、単位を落とさないようにテストの点が酷いことにならないように大学に行って、友達と授業を中に隠れて喋ったりゲームしたり、内職したりしてサボりつつ、ヤベエテストヤベエなんていってテストの前日に必死こいて勉強する。

 そんな感じだ。


 実際に俺の前世の学生生活はそんな感じだったし、それが楽しかった。


 それが今はどうだ。

 何をしなくても単位は貰える。

 教えてくれる内容以上のことをもう既に知っている。

 友人はモブイがいるかもだけど、モブイも戦闘面では割と同類だ。


 微妙だ。

 本当に微妙だ。


 まあ、こんな感じで悩みつつも惰性で授業には出るつもりだけどなぁ。

 なんかこうやっぱり乗り気がしない。


 もっと面白いこと起きるならやる気も起きるけどって。


 楽しそうな学園祭とかトーナメントとかはまだまだ先だしな。

 本来のゲームである魔王殺しの英雄学園ならば色んなイベントがあって飽きが来ないようになってるけど、そのイベントも俺がというか、アンクル商会とダーネスによってほぼ全部潰したしな。

 

 ・・・・・・・・


 今の俺ならその楽しそうなイベント全部実現出来るんじゃね・・・

 俺ならばそれを実現するだけの力がある。

 それに本来であれば滅亡しかけていたり、大勢の人が死んだり奴隷落ちしたり国すらも滅びたりするような割と世紀末な世界を俺は救ってるんだ。

 俺が楽しむために多少何かをしてもいいんじゃないか?俺にはその権利があるんじゃないか。

 だって俺がこの世界を救ったのだから。

 そうだ俺はこの世界の支配者なんだ。


 ・・・・・・・・・


 いや、駄目だ駄目だ。駄目だ。

 それは流石に超えてはならない一線だ。


 確かに俺には力がある。

 最強の力があって権力があって金があって何をしても許される立場ではある。

 それでも、この力を使って俺が楽しむだけにイベントを起こすということは、他の人に迷惑を害を与えることになる。

 もちろん死者を出したりするつもりはないし、最悪死んだとしても蘇生すればいいと思っている。だけど、その結果生まれた心の傷がどうなる?一生もののトラウマを背負う可能性だってある。一生苦しめる可能性だってある。

 じゃあ記憶魔法を使って記憶でも消して解決するのか?

 人の記憶を自分の都合で消去する。

 そんなのやってることは犯罪者となんら変わりない。

 

 流石に駄目だな。


 俺の日本人として培われた倫理観が激しい抵抗をする。

 平和が平穏が一番だ。

 これ以上に何を望むというのだ。


 色々あったけど、本来であれば不幸な目にあるヒロイン達を救えて、魔王の復活も阻止出来て、悪い組織も消滅した。

 皆幸せ、皆ハッピーこれでいい。


 俺はこの平和を楽しく享受しよう。

 多少暇かも知れないが、暇ってのある種の最高の贅沢って言葉もあるしな。

 これがいい。


 ああ、これでいいんだ。


 ・・・・・・・・・。


 

 





―――――――――――――――


 主人公は日本人として培われた善良な倫理観から自分が楽しむためだけに自作自演して他人に迷惑をかけるという行為を拒否しました。

 ただ、心の中ではイベントを楽しい何かを求めています。

 そして、それを汲み取ってくれる主人公に絶対服従を誓うアルティメットホムンクルスの存在が・・・。


 次回、アルティメットホムンクルス会議

 主様が暇してるけど?皆で主様を楽しませようぜ。

 の巻


 主人公が自作自演するのは駄目だけど、部下の暴走ならいいってか。何それ詭弁だな。

 最低だ俺って・・・。



――――――――――


 後、一応これはリスタートとなります。

 ようは、活動報告を読んでください。私のごめんなさいの気持ちがチピチピチャパチャパ書かれています。

 


 

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