俺氏、学食を食べる。尚、メンツは世界の支配者と最凶の最上位魔人と英雄だそうです
俺とアーゲインスト二人共、スペシャルセットを持って席に座る。
今日のスペシャルセットはおせち料理のような箱10段におせち料理やら皆大好きなハンバーグやらからあげやらローストビーフやらエビフライ等がこれでもかってぐらいギッシリと詰まったものだった。
確実に一人で食べる量ではないが、人間を辞めてる俺とアーゲインストならば余裕だろう。
後、普通に美味しそうだし。
「う~~~ん。マーベラス。マーベラス。マーベラス。流石スペシャルセットという名前なだけありますね。とてもマーベラスです」
「確かにそうだファーーー」
美味しい、美味しいのだが、正直俺のメイド達が作るご飯の方が美味しいな。
「おいおい。マジかよ。国を滅ぼせるレベルの最上位魔族・アーゲインストと実質的に世界を支配してるアンクル商会の十二統括者の一人・グレン・アスフォールが二人して仲良く飯食ってやがる」
急に俺達に話しかけてきた人物を俺は知っていた。
彼は今から30年前に訪れた魔樹森林から襲い掛かってくる総勢10万を超える魔物をたったの1000の兵士だけで退けた指揮王の二つ名を持つ英雄にして、この学園で最も権力を持つ校長先生、英雄・シテン
彼の手には俺達と同じくスペシャルセットがあった。
いや。割と大物だけど学園の食堂で飯食べるんだ。
て、それは俺とアーゲインストにも言えることやな。
「おお、シテン殿。その節はどうもお世話になりました。おかげで私はグレン・アスフォールという素晴らしくマーベラスな協力者を得ることが出来ましたよ。
いやはや非常にマーベラス。マーベラス」
「何?アーゲインスト知り合いなのかって、落ち着いて考えればアーゲインストという存在がこの学園で教師として働いている時点で誰かの協力があるに決まってるファーーー。それが貴方ってことかファーーー」
「音魔法・消音、これで周りに俺達の声は聞こえない。
さてと、ああ。大正解だとも。グレン・アスフォールよ。
彼は俺がこの学園に雇い入れた。いや正確に言えばそれしか選択肢がなかったというべきか。
アレは今から4ヵ月前のことだ。部下達と共に魔王城跡地の調査任務を行っている最中に出会ってしまったのだ。
最凶最悪の最上位魔人。俺達全員が死を覚悟するレベルの化け物とな。ようはコイツだ」
「おやおやおや、そのような言い方をするとは非常にマーベラスですね。あの時はそれはもうそれは非常にマーベラスでしたよ。
まさか実験用の魔物調達中に人間と遭遇するとは。いやはやマーベラスですね」
「もちろん俺達は逃げようとした。でも見えない壁、いや結界に閉じ込められてしまったわけだ」
愉悦王・アーゲインストは結界王のスキルを持っている。ようはこの世界では最も優れた結界能力の使い手でもあるということだ。それはいくら英雄とはいえ抜け出せないわな。
「せっかく人間と出会ったので人体実験でもしようかなと思いましてね。いやはや非常にマーベラスでしたよ」
「めちゃくちゃ絶体絶命だファーーー。え?それでどうやってコイツがこの英雄学園の講師になったんだファーーー」
「ああ、まあ、その後に何とか頑張って死なない為に交渉したんだ。
定期的に人体実験用の生贄を用意する&研究設備としてかなり立派である英雄学園の講師として雇います。仕事はもちろんしなくていいです。多額の研究費費用も出しますってね」
「おい、待て待て待て待つんだファーーー。今、ナチュラルに人体実験用の生贄を用意するって言った?え?お前、英雄だよな?」
「ああ。もちろんだとも。でもしょがないだろ。あの場ではああしないと俺達が殺されてたんだから。
それに生贄言っても死刑囚とかヤンチャし過ぎた生徒とからだか。問題はない」
「いや。問題はないって、生徒を生贄にするのは・・・、まあでも悪人なら問題はなさそうだファーーー」
「という訳で私はこの英雄学園で講師をしてました。いやはや実にマーベラスですね。結果的に貴方に会えたということを考えればあの時、彼を殺さなかった私は実にマーベラスでしたよ」
「いや、本当に殺されなくて良かったわ。いやマジで本気で」
「何というか、英雄・シテン、苦労をしてるんだファーーー」
「ああ、もうめちゃくちゃ苦労している。でも最近はアンクル商会とダーネスのおかげで悪徳貴族がいなくなって負担軽減になったから。お前には感謝している。ありがとうな」
「まあ、やったのは俺じゃないけど。その感謝は素直に受け取っておくファーーー」
「そうしてくれ。ここで出会ったのも何かの縁だ。隣座っていいか?」
「もちろんだファーーー」
俺の隣に座る。
かくして世界最強の支配者である俺と英雄であり校長先生であるシテンと最上位魔族であり最悪の化け物・アーゲインストの三人で仲良く食堂でスペシャルセットを食べるとかいう謎の現象が起こるのであった。
めでたしめでたし。
――――――――――
実は指揮王もとい校長先生とアーゲインスト、割と仲良くなっているっていうね。
まあ色々あったんだよ。そこはまたおいおい。
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