俺氏、禁忌の実験をする
「おやおやおや、理解をしてくれたようでマーベラスですね。
さてさてと、で、実は更にもう一つ貴方に伝えなければならないマーベラスな情報があるのです」
「それは何ファーーー」
「それは、そうそれは、もしかしたら魂容量というのは人工的に増やせるのではないかということです。
貴方の中にある2つの魂は完璧に完全に混ざり分離は不可能ですが、それによって魂容量が大きくなり、本来であればあり得ない力を手に入れました。
もしも人工的に魂容量を増やすことが出来れば貴方のような強い存在を生み出すことが出来そうではありません。
そしたらそれは実にマーベラスなことですね」
「アーゲインストよ。それは有りだ。
ただどうやって人工的に魂容量を増やすんだファーーー?
魂魔法や魂魔術の使い手は知っているが、魂容量を増やす力なんてなかった筈ファーーー」
「そう、そこなんですよ。それなんですよ。大きな問題となっているのですよ。
ただ、私は考えました。
波長の完璧にあった魂同士であれば魂をくっつけることが出来るのではないかと。
私は様々な魔物を使ってキメラを作る形で実験を行いました。
しかし、成功例は非常に少なく、成功したとしても寿命が短かったり、突然爆散死してしまいました。
マーベラスですね。
非常にマーベラスなことにその成功した例の大半は幼い魔物を使った時でした。幼い魔物、ようは自我というのがまだ存在してない所謂、無垢なる魂というものです。
かといって幼い魔物同士をキメラにしても上手く行きません。
つまり、そうとどのつまりぃぃぃぃ、同種の無垢なる魂と自我の強い魂を掛け合わせることで人工的に魂容量を増加させられる可能性があるということです。
実に、実にマーベラスですね。
嗚呼、本当にマーベラスです。まだこの実験は知的生命体であり会話が可能な人間や魔族では試していませんので、貴方の所で研究出来るのが今からとてもマーベラスです」
「話は面白いが幼い子供は基本的に罪を犯すなんてないし、実験用の死刑囚として回ってくることはないファーーー」
「え?マジですか?」
「ああ、大マジだファーーー」
「正直な話をすれば私は強いです。強いですが貴方には負けますし、貴方の配下であるアルティメットホムンクルスが複数襲い掛かってきてもおそらく負けます。
私は愉悦者であり研究者ですが、快楽殺人主義者というわけではないです。
なので、今の時代下手に人間を実験動物にして貴方達に追い回されて最終的に殺されるのであれば協力者になろう。
そう考えたのですが、え?人体実験出来ないのですか?」
マーベラスが抜けてるとは、ガチなようだな。
「まあ、そうだファーーー。ただ、無垢なる魂というのはもしかしたら俺の力で生み出せれるかも知れないファーーー」
「無垢なる魂を生み出す。それはそれは何と何とマーベラスなんでしょう。
素晴らしい。素晴らしい。素晴らしくマーベラスだ。流石だ流石だ。流石ですよ。グレン・アスフォールよ。マーベラス、マーベラス、マーベラス」
ナチュラルに気持ち悪いなコイツ。
いやまあいいけど。
【ハンゾウ、適当に人体実験用の死刑囚持ってこい】
【かしこまりましたでござる】
ハンゾウを経由して空間魔法を行使して人体実験用の死刑囚を一人、その場に出す。
しっかりと手足の神経が切断されており、顔の部分も特殊な包帯で覆い隠され、何も見えず何も聞こえない状態だった。
「おやおやおや、このような明らかに汚れた魂、無垢なる魂とは程遠いですよ」
「まあ、見てなって。錬金魔法・魂錬成」
俺は割とぶっちぎりで禁忌だけど、まあどうせ犯罪者だしという感想の元、魂を無理やり抜き出して錬成した。
その瞬間、ビクンと死刑囚の身体が跳ねた後、死亡し、ただの肉体となる。
俺の手には件の死刑囚の魂がある。
救いようもない死刑囚なんで相変わらず汚くて黒い魂だ。
「おお、素晴らしい。魂錬金とは、まるで神の御業じゃないですか。マーベラス、マーベラス、マーベラスですね。流石です。
それでそこからどうするのですか?」
「こうするんだよ。魂錬成・悪しく部分よ消え去れ」
黒く汚い部分が落ちて、元の大きさの十分の一程になったが、透明で綺麗なアーゲインストのいう無垢なる魂が出来上がる。
といっても俺はこの魂の使い道が分からず作ったとしても、使わずに霧散されていた。
というかこのまま置いておくとものの数分で勝手に霧散していく。
「おおおおおおおお。素晴らしい素晴らしい素晴らしい、素晴らしくマーベラスです。これはまさしく無垢なる魂です。
私が今まで見て来たどの魂よりも綺麗な完璧な無垢なる魂です。
マ~~~~~~ベラス~~~~~~~~」
「だけどアーゲインストよ。これをどうするのかファーーー?」
「そうですね。無垢なる魂ですし、私の予想が正しければ様々な使い道があると思うのですが、取り敢えず人間の十分の一程の小さな魂を持つ魔物であるスライムにその死体にその魂を注入してみてください。
あ、もちろん。死体は修復してですよ」
「なるほど。確かにやってことないな。やってみるファーーー」
スライムの死体を創造魔法で生み出して魂を注入してみる。
その結果、スライムは蘇り動き出した。
「素晴らしくマーベラスです。魂が魂が宿っています。ああ、一度死んだ存在に無垢なる魂を与えることで蘇らせることが出来るのですね。
ああ。マーベラスです。
さあ、グレン・アスフォールよ。私の実験に協力をしてください。まだまだやってみたいことはたくさんあります。
貴方の魂錬成と私の知識ならば、きっと魂についてもっともっと深く知れるでしょう」
「まあ、俺は興味はあるしやるかファーーー」
「素晴らしくマーベラスです。さあ、私の実験が今大いなる進展をします。ああ、マーベラス」
――――――――――
意外と主人公であるグレン・アスフォールはこういう実験が嫌いじゃない。
色々と試行錯誤して真実を求めて出来ることを探していく、感覚はゲームをしてる時と一緒です。
アーゲインストは倫理観を捨てた狂った魔人ですが、主人公もたいがいなので案外仲良くなれたり・・・。
尚、やってることはバリバリの禁忌というか神の領域ですし、正教会は知れば怒り狂って懸賞金をかけるレベルです。
ただ、アンクル商会とダーネスのトップである主人公にそんなことしようものなら、物理的に正教会が滅びます。
南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。
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