俺氏、衝撃の真実を知ってしまう
「魂とは肉体とは別に精神的実体として存在すると考えられるものであります。
魂は全ての生命体が宿しており、生命体は肉体と魂、この両方が宿って生命体として活動をすることが可能となるのです。
う~ん。実にマーベラスですね。
そんな魂について、私は大きさがあるのではないかと考えました。
先ほど、魂21g理論についてお話をしましたが覚えてますか?」
正直、アーゲインストの話は聞いてなかったが、魂21g理論というのは知っている。
地球にも存在していて、今は否定された理論ではあるが、この世界でも50年ほど前にとある科学者が同じような形で発見した理論だ。
俺はまあ地球の知識を持っているのでそれが違うってのを知ってるが、この世界ではかなりの人が信じている理論だ。
まあそもそも論としてインターネットもないこの時代、この理論自体を知っている人が極端に少ないけど。
「魂21g理論は知っているファーーー」
「おお。それは実にマーベラスですね。さて、この魂21g理論、私は偽であると思っているのですが。
魂に重さがある、大きさがあるのではないかという考えはマーベラスだと思いました。
私は今まで魂とは形の無いものであると思い、大きさ等もないと思ってました。
ただ、そうただ、魂は目には見えない物の大きさがあるのです。
私はこれを魂容量と呼んでいます。
この魂容量が大きければ生命体はより強く成長が出来る。つまり、より強力なスキルを獲得しやすくなり、よりステータスの伸びが良くなるのです。
この魂容量の理論で言えば魂には明確なる優劣が存在しているということです。
凄く素晴らしくマーベラスですね。
実際にその証明として私は魔族や人間のステータス成長の違いというのが挙げられると考えました。
ご存知の通り、人間と魔族ではレベルが上昇する為に必要な経験値量に違いがあり、魔族は必要経験値が多いが、その分ステータスが上がる。
人間は必要経験値が少ないが、その分ステータスの伸びは悪い。
必要経験値量とステータスの上昇量というのが綺麗な相対関係を持っているのです。これは他のステータスを持つ知的生命体にもいえることであり、様々な実験をした結果、生物としての格が高いとされるドラゴンや魔族といった知的生命体程必要経験値量が多く、生物として格の劣るゴブリンやスライムなんかは必要経験値量が少なかったのです。
ただ、私は魂を見ることは出来ません、研究をしたいのですが、魂を見れない。さぁ困りました。
激しく困りました。
その時、偶々300年以上生きたドラゴンを殺した際に魂のようなナニカが見えたのです。死んだ瞬間に神の力に似た強大なナニカが何もない空間に纏わりつき、霧散しました。
あの時のマーベラスが一生忘れないでしょう。
それからそのナニカを探る為に・・・」
「ちょっと待て、長い長い長い。もっとまとめて分かりやすく言えファーーー」
「おやおやおや、せっかちですね。まあ、ただそれはそれでマーベラス、一つの真理です。
分かりやすくですか。
・・・・・・・・・
そうですね。ようは貴方は魂容量が普通の人間の倍以上ある特殊な人間だということです」
「魂容量が倍以上?それって何か意味はあるファーーー、いや待て倍?そう倍といったファーーー」
そして思い浮かぶは俺の謎のレベル198に得意属性レベル20。
これは普通の時の倍だ。
普通のレベルは99がMaxだし、得意属性もレベル10でMaxだ。丁度綺麗にその倍の数値になっている。
「おやおやおや、そうマーベラスなことに、魂容量が大きければ大きい程強くなるのです。
稀に魂容量が人間でありながら普通の人間よりも大きい人は存在します。
俗にいう英雄と呼ばれる者達ですね。
そんな英雄でも魂容量はせいぜい普通の人の2割増しとかです。
ただ、貴方の場合は違います。純粋に魂容量が倍以上の大きさなのです。マーベラスですね。
人の身でありながらこんな大きな魂容量を持つ者は、過去に共に戦ったあの魔王殺しの大英雄であるユウキ殿しかおりませぬ。
しかし、不思議なんですよ。ユウキ殿は最悪の禁忌魔法・魂の逆行転生を使い、自分の魂を過去の自分に送ったことで魂容量が常人の倍以上という数値になりました。
じゃあ、貴方があの最悪の禁忌魔法・魂の逆行転生を使ったと、それはそれでマーベラスですが考えにくいです。
そして私は考えて考えて考えて、気が付きました。
グレン・アスフォール。
貴方は異世界転生者である。
そして、本来のグレン・アスフォールという魂と異世界で生きた君の魂は相性が良かったのか、本来ではあり得ないことであるが完璧に混ざり合い、グレン・アスフォールでありながら異世界転生者の貴方である。不思議な存在となったのです。
どうですか?実にマーベラスでしょ。そしてこれが私の伝えたかった貴方の知りたいことですね。
ああ。本当にマーベラスですね」
なるほど。
コイツの言葉は説得力がある。
そして理にかなっている。
グレン・アスフォール。
ファーーーが口癖で女好きで怠惰でグウタラするのが好きな何処か憎めないかませ犬。
日本でオタクとして生き、独身貴族を謳歌していた俺。
俺が異世界転生した時、そんなグレン・アスフォールと俺の魂は混ざり合ってしまったんだ。
俺は俺でもあり、グレン・アスフォールでもある。
だからこそ、本来であればあり得ない筈のレベル198というのを手に入れた。
得意属性レベル20というのを手に入れた。
あり得ないような成長をしてあり得ないようなステータスを身に着けることが出来た。
謎にファーーーという言葉がどう頑張っても出てしまい、女好きだったから、性欲衰退薬を飲まない程、耐えられないレベルの激しい性欲に襲われていた。まあ発散してしまったけど。
面倒くさがりだがら、魔邪神信仰壊滅作戦の時も結局自分は戦闘に出なかった。
でもオタクだから俺だからゲームの鬱展開をなくす為に行動を起こさせた。
よく異世界転生ラノベで憑依転生系統だと元となった人物の魂が実は残っていて、肉体を返せって展開になる時があるけど。
俺の場合はそもそも論として魂が混ざりあってしまってたのか。
「ああ。なるほど。凄くストンと落ちたファーーー。そうか俺は半分はグレン・アスフォールであるのか・・・そうか・・・そうだったのか。
とても納得したファーーー」
「う~~~ん。それならば実にマーベラスですね」
――――――――――
じゃあ主人公もどきはって???
さて、それはまたおいおい。
当たり前の話ですが魂の波長が合わないと魂が混ざるなんてことは置きません。
そこもまた詳しくは次回。
補足説明
主人公がファーーー、ファーーーうるさかった理由がこれです。
ようはグレン・アスフォールという魂がファーーー、ファーーー言わせていたのです。
それが個性でありそういう設定であるキャラですのでね。そんなグレン・アスフォールの魂を持ってる主人公がファーーー、ファーーー言わない訳がないというものです。
因みにファーーーを喋らなくなる時は、グレン・アスフォールという不真面目な怠惰君では対処出来ないような、緊迫とした状況の時は異世界転生者である彼の魂が強く表出してファーーー、ファーーー、言わなくなるという形です。
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