俺氏、称号とは人生である

 

 魔王殺しの英雄学園にて、常識と言ってもいい、とある言葉がある。


「称号を見ればそのキャラの設定と過去が分かる」


 実際にその通りである。

 何故このような言葉が生まれたかというと、大きく2つの理由が存在する。

 一つ目は称号の数がかなり多く、キャラによっては10を超える上に、称号はその人の生き方に強く影響を受けて獲得されるものであるから。

 二つ目は称号は一部の例外(称号の進化等)を除いて獲得した順番に並ぶから、時系列が称号を見ただけで理解出来てしまうから。

 例えば世界の英雄・ワールドの称号がこんな感じだ。


 称号

 魔力無し 蔑まれし者 下剋上 喪失者 裏切られし者 絶望者 修行者 努力王 拳神 ドラゴンスレイヤー 世界の英雄


 彼の過去は魔力無しで差別されて、そこから必死に努力して下剋上したけど、裏切られて全てを失って絶望した。

 それでも必死に修行と努力を重ねて拳神となり、ドラゴンを殺し、世界の英雄となったんだなってのが、分かる。

 性格も努力家で世界の英雄と謳われるだけの人格者なんだなって分かる。

 実際にその通りだ。


 他にも様々なキャラがいるが、まあ基本的に称号を見ただけで過去と設定が理解出来てしまう。


 という訳で俺の称号がこれだ。


 称号

 異世界転生者 錬金魔法を極め過ぎし者 錬金神 神器大量創生者 偉大なる教祖様 人外 人の皮を被ったナニカ 世界一の金持ち 救世主 信仰されし者 魔物の大量虐殺者 限界を超え過ぎし者 世界最強 世界の支配者 救国にして世界の大英雄 神を超えし者


 まあ。うん。何というか。かんというか。

 化け物だなって思うわ。


 異世界から転生して、錬金魔法を極め過ぎて、そのまま錬金の神となった上で大量の神器を作ったり、教祖様になったり、人外&人の皮を被ったナニカになって、世界一の金持ちになったり、救世主になったり、信仰されたり、魔物を大量に虐殺したり、限界を超えすぎたり、世界最強になったり、挙句の果てに世界の支配者にまでなってしまって、世界の大英雄として神を超えたと。


 我ながらマジで何を言ってるんだろうって思うわ。


 正直、称号の進化もあり時系列が大分めちゃくちゃになってしまっているけど、まあ称号に書いてある内容は事実である。

 称号ってのは時系列順に並んでるんだけど、進化したり、似たような称号を獲得してしまうと勝手に廃統合されたりするんで、俺みたいな色々とやり過ぎた化け物は称号欄がごちゃごちゃしてどんな過去を送ってどんな性格なのか分かりにくい。


 俺だけ魔王殺しの英雄学園の常識が通用しないんだけど。


 マジでファーーーが過ぎるって奴だ。


 何?人の皮を被ったナニカとかいう怖すぎる称号と救世主って一緒に並んでいい称号じゃないだろ。

 そんでもってな、人外と人の皮を被ったナニカって称号は何故廃統合されてない、意味似てるだろう。というか同じだろ。

 まあ、多分人外は人の道を外れた者って意味で、人の皮を被ったナニカってのはそもそも人ですらなない、ただの化け物って意味だからな。

 いや、意味同じだわ。

 このゲーム、本当にファーーーが過ぎるって。

 運営、しっかりやってくれって。


 まあ、それは俺が何かいってもしょうがないか。


 一応、俺の持ってる称号が何故こんな狂ったものになってしまったのかは全部説明出来る。

 説明出来てしまうから何というか笑えてくるわ。


 ただ、正直、これらの狂った称号だが一番ヤバいのは今の所、最後に獲得している称号3つではあると思う。


 世界の支配者 救国にして世界の大英雄 神を超えし者

 

 3つとも大分物騒なことが書いてある。


 まず世界の支配者

 魔王殺しの英雄学園に存在すら確認されていない称号の一つだ。

 というか今から説明する3つの称号は最後の神を超えし者以外、確認されていない称号だ。


 世界の支配者、その名前の通り世界の支配者に与えられる称号。

 一応称号効果として、触れた相手の強制支配だとか、触れた相手の感情を支配するだとか、世界を支配しやすくなるとか、自分の支配下の者のステータスを一部操作するとか等々、強そうなことが色々とあるにはあるが、全て支配神の下位互換でしかないのであってないようなものである。


 まあ、それでも世界を支配していないと獲得出来ない称号であり、俺は世界を支配しているという証明になっている。

 アンクル商会とダーネスの方で世界経済を支配して、国にもよるけど一定数の貴族を傀儡にして、何ならアルティメットホムンクルスであり慈善事業の統括者・アテナや真の創設者であり、偶に冒険者として様々な人を救ってる俺を信仰してしまっている国もあるくらいだ。


 俺の気まぐれ一つでどんな国の王様だろうと首を挿げ替えることが1日で出来るからな。

 それはまあ世界を支配してるって言えるわな。


 俺というかアンクル商会とダーネスをここまで大きくした俺の配下達(主にアルティメットホムンクルス)が優秀過ぎて草超えて森も超えてファーーーだわ。


 次、救国にして世界の大英雄

 凄そうなこと書いてあるけど、まあ凄い。

 何故この称号を獲得したかは多分だけど魔邪神信仰を滅ぼして魔王復活及び邪神復活を阻止したからだと思う。

 魔王が復活したら国が幾つか滅ぶのは、けつ穴レベルで確定してるし、邪神が復活すれば被害はもっと大きくなる、最悪人類全滅ルートとかもあるレベルだ。

 それは、こんな凄い称号を獲得できるわけだ。


 あ、そういえばモブイが俺の魂がどうとか言ってたけど、こんな凄い称号を持ってるんだ。

 それは俺の魂は凄いわな。

 因みにこの称号の効果はシンプルに一つ。


 自分が救国にして世界の大英雄であると相手に認識させれる(任意)。


 目立つのが嫌いという訳ではないが、流石に救国にして世界の大英雄認定は色々と面倒そうなので、多分一生使うことのないと思う。

 任意発動でマジで良かったわ。


 最後の神を超えし者

 これはゲームに存在していた称号だ。

 ただ入手難易度はゲロを吐きそうになるくらい高い。


 この称号の入手方法はソロで邪神を倒す。

 以上、終わり。


 魔王の倍以上のステータスに凶悪過ぎるぶっ壊れチート、スキルを大量に持っている。

 完全育成したフルパで運要素も絡みつつでようやく勝てる相手、それが邪神である。

 

 そんな邪神をソロで倒す。


 馬鹿を言っちゃいけない。誰が出来るんだよって話だが、とあるYouTubeがそれをやってしまったんだ。

 まず装備は全て神器、もちろんステータスも理論値まで鍛え上げて、全ヒロインとのファーーーもMaxレベルまでプレイ(意味深)されている。

 

 理論上、最強と言っていい状態の主人公を使い、回避特化ビルド&スキル構成で回避をする度に次に与えるダメージを一定値上昇させるネタスキルである筈の回避魔術・回避の舞(次ダメージ強化)を使って、邪神を一撃で倒せるラインまでひたすらに回避を続けて、邪神の持つ厄介な第二形態・第三形態に、発狂攻撃や100%即死攻撃を全て無視して一撃で終わらせたんだ。

 

 因みにかかった時間は12時間、707ターンもの死闘の果てに倒したのである。

 当時はマジで大きな話題になったものだ。

 いくら回避特化ビルドとはいえ、邪神の攻撃が当たる確率は攻撃によって変わるが1~3%もあり、このYouTubeは約1年半の試行錯誤の果てにようやくクリアしていた。

 ぶっちぎりの狂人だ。


 で、そうやって邪神をソロで倒した後には神を超えし者という称号が与えられたわけだ。


 効果は2つ。

 1・上位の神達にその存在を認知される。

 2・神の因子に耐えられる肉体となる


 まあ、何か凄そうな効果だけど、今の所、この効果が何か引き起こしてるかとなれば何も引き起こってない。

 それでもめちゃくちゃ凄い称号に間違いはないと思う。


 因みに俺はこの称号、なんか気が付いたら勝手に獲得していた。

 理由は分からん。

 

 以上

 終わり。


 


――――――――――


 次回からようやく授業に戻れる。

 流石に称号を全部説明するのはカロリーが高すぎるからやめた。

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