俺氏、BSS君が原作より圧倒的に強くなってて驚く~強さ表を添えて~


 俺とモブイが授業に戻った後、主人公もどきと男子生徒が模擬戦闘を行っていた。

 割と互角、いや主人公もどきの方が押されている。

 一応主人公もどきってそれなりに強かったはずだよな?

 

 ただのモブじゃないな、この男子生徒?

 容姿は茶髪で身長は150センチ後半、顔立ちは少しそばかすが目立つが、それなりに整っている。

 使用武器は片手剣と盾というオーソドックスな物。


 ん?


 あ、思い出した。


 彼はBSS君だ。


 BSS君、かの超絶有名な台詞「僕が先に好きだったのに」をゲーム中に主人公に向かって叫んだことでこの名誉?あるあだ名が付けられた、怠惰なかませ犬であるグレンに並びはしないものの、足元に近づける程には人気なキャラの一人だ。


 確か設定では生徒会長(爆乳で超エロいヒロイン)に惚れて、生徒会に入って、生徒会長に惚れられようと努力する子犬系キャラだが、気が付いたら現れていた主人公によって生徒会長を(性的)食べられてしまい、ルートによって生徒会室でオセッセしてる所を偶々資料を持ってきたBSS君に見られてしまい。

 膝から崩れ落ちた後、「僕が先に好きだったのに」って言いながら主人公に襲い掛かって返り討ちにされたりする。

 あのシーンはマジで涙なしには見れないわ。

 某動画サイトでも「僕が、間違っていたよ」とか「兄に許しをこいに行け」とか「これぜまさしくBSSぜよ」とか「実質NTR」とか「存在しない記憶によるNTR」とか、狂ったコメントが流れて、いや、マジで笑い過ぎて涙出たわ。


 何というか、まあ、可哀想?なキャラである。

 本名?知らん。BSS君だろ。


 しかもこのBSS君何が面白いって主人公が生徒会長に手を出さなくてもルートが進んで主人公が功績を立てると何もしてなくても勝手に生徒会長が惚れて、BSSが発動してしまうんだ。

 絶対に生徒会長と結ばれない運命にある。

 それがBSS君だ。


 あれ?でも今の主人公もとい主人公もどきってマジでクソ野郎だし、生徒会長惚れるかな? 

 何なら俺が原作をめちゃくちゃにしてるし、BSS君が生徒会長を好きになってない可能性も、なんなら生徒会長が在籍してない可能性すらある。

 

 面白そうだし、後で調べてみるか。


「グレン、彼中々強いな」


「彼って?BSS君のことファーーー?」


「BSS君?茶髪で身長が160くらいの彼、BSSって名前なのか?」


「いや。まああながち間違いじゃないけど、本名は別だファーーー」


「そうなのか。まあいいや。しっかし彼は強いな。

 明らかに対人戦闘に慣れている動きだ。レベルも最低でも50はありそうだし、戦闘系統スキルも豊富に持っていそうだ。

 一体どんな得意属性を持ってるのだろうか」

 レベル50以上?でもゲームでは初期は30程度しかなかった筈じゃ?終盤とか主人公に合わせてレベルも50くらいに上がるけど、それでも50だ?

 明らかに強くなってるなって。まあうん、別に脅威になる訳じゃないしどうでもいいか。所詮BSS君はBSS君だしな。


「BSS君の得意属性は人形魔術だファーーー」

 因みにBSS君は終盤の方になるとBSSをこじらせて、生徒会長にそっくりな人形を二重の意味で使いだす。何というか凄く業の深い魔術だ。

 多分、運営は分かっててこの魔術を得意属性にしてるから質が悪いというか、よく分かってるじゃないかというか。・・・何というか俺は好きだわ。


「人形魔術、初めて聞くな。名前から察するに人形を操る魔術ってことか」


「大まかにはその認識で大丈夫だファーーー。

 ただ、人形を自前で用意する必要あるという欠点があるファーーー。

 その代わりに人形をかなりの自由度で操れる上に、人形を即座に修復したり、バフをかけれるファーーー」


「それは、中々に強そうだな。惜しむべきは今が対人戦闘で人形を持ってくることが出来ない点か」


「そうだなファーーー。多分、人形任せで本体である自分が強く出れるようにこの授業を取ったと思うファーーー」

 因みにこの理由はゲーム内で彼が言っていたので間違いないと思う。


「自分の弱点を補うために努力をするか。かなり好感が持てるな。魂も綺麗だし、BSSは良い奴だな」


「確かにそうファーーー」

 まあゲームでもBSSして生徒会長の人形を量産する程度で基本的には善人だしな。

 誰にも迷惑はかけていないし、法も犯してはいない。倫理ィは犯してるけど。


 かくして俺とモブイがやいのやいの喋ってる間に、主人公もどきとBSS君の勝負は佳境を迎えていた。

 BSS君が優勢のまま、主人公もどきを追い詰めた。

 このままBSS君が押し切って勝ちきれそうだ。

 その時、主人公もどきが口を開いた。


「ハア、ハア、BSS、お前実質NTR役のモブのくせして中々に強いじゃないか。

 だがよう。勝つのはこの主人公である俺様だ。

 限界魔法・第一の制限解除・第二の制限解除・第三の制限解除

 限界突破・三層・全能力倍加」


 限界魔法だと・・・。

 限界魔法って終盤の方でヒロインとして登場する。半人半魔の美女イレイナからじゃないと入手できない上に取得難易度も非常に高い超強力な魔法じゃないか。

 なんで、こんな序盤に・・・そもそもイレイナは確かアンクル商会の方で保護してるから、手に入れることなんで出来ない筈だし。

 まさか、偶々イレイナ以外で持ってる人がいた?ここはリアル世界だしな、あり得なくはない。

 つかナチュラルに限界魔法使用を待ってあげてるBSS君優しさの塊やん。


「だから、さっきからBSS、BSSって誰だよ。僕の名前は・・・」


「うるさい、黙れ。お前の名前はBSSだ。光殺剣」

 主人公もどきの攻撃を盾で受け止めるBSS君。


「クソ、さっきよりも重い。なんて威力だ。

 だが、僕は負けない。

 人形魔術・奥義・我は人形なり」


 その瞬間にBSS君の眼が虚ろになり、雰囲気が変わる。


「バフバフバフバフバフバフバフバフバフバフバフバフバフバフバフバフバフバフ」


 呪いの言葉のようなバフと無機質な声で呟く。

 その度にBSS君の身体が光輝き能力値が上がっていく。

 なるほど、自分を人形として、本来であれば人形にしか使えないバフを自分にかけたのか。

 相当に強いな。

 しっかし原作でこんな技つかえたっけ?明らかに原作よりも強化されまくってるな。理由は分からんがまあ俺のせいだろう。


「クソ、わけわからない技使って強くなりやがってよう。

 この俺様が負けるわけがない。俺様は、俺様は主人公だぞ~~~。

 限界魔法・第四の制限k」


「バフ」

 BSS君の強烈な一撃が喋ってる途中の主人公もどきにクリティカルヒットした。

 ただ、その一撃で安物っぽかった剣が折れてしまう。


「てめぇ、まだ」


「バフ」

 今度は腹を盾で殴る。


「バフ」

 今度は普通に顔面を拳で殴る。


「バフ」

 よろける主人公もどきの剣を奪い去る。


「剣を、この返せ、ふざけn」


「バフ」

 BSS君によって放たれた強烈な一撃は結界によって定められてHPを全損させた上で主人公もどきを場外まで吹っ飛ばした。

 そのまま主人公もどきは間抜けな顔を晒して気絶した。


「我は人形なり・解除。よしゃーーー、勝ったぞ~~~」


「勝者。BSS。おめでとう」

 ロンリコ先生がナチュラルに名前をBSSで勝者報告をする。


「え?ちょっと待ってくださいよ。僕の名前は」


「いや。お前はBSSだ。俺はBSSという名前が似合ってると思うぞ。まああだ名みたいなものだ」


「似合ってるんですか・・・」

 ちょっと震えてる。

 まあ、ロンリコ先生でかいからな。圧倒的な身長差。


「ああ。そうだ」

 圧が強い。


「それなら。そのはい。それでいいです」

 あ、BSS君負けた。

 まあうん、お前の屍は拾ってやるよ。

 後ロンリコ先生、俺の方を見ないでください、やりましたよ感出さないで、これ余計な気を回してBSS君をBSSという名前で呼んでるやん。

 後の祭りか。

 

 何というか。

 ごめんBSS君。




――――――――――


 多分、これから本名が明かされることはないであろう可哀想そうなBSS君。

 因みに主人公もどきは感情が高ぶると俺様とか言い出す痛い奴です。


 現時点でのBSS君の強さもとい、キャラごとの強さ。


 主人公>邪神>>>魔王殺しの英雄譚の主人公(最終段階)>魔王(相手側特攻武器無し)>バーサーカー>英雄(ワールドのような戦闘に特化した英雄レベル)=主人公のアルティメットホムンクルス>英雄(戦闘に特化していない英雄)=アンクル商会とやダーネスに所属するレベル80後半越えの強者達(主人公によって与えられた神器等あり)=ベロア先生>魔邪神信仰の幹部・八魔(全員死んでる)=モブイ(本気)=Sランク冒険者パーティー>魔王(相手側特攻武器有り)>レベル80後半のSランク冒険者>国の騎士団長や魔道師団長=Sランク冒険者=モブイ(通常状態)>クロ>ロンリコ先生のような戦闘できる学園の教師達=Aランク冒険者>BSS君>主人公もどき>Bランク冒険者>アンクル商会とダーネスに心の底からの忠誠を誓った人全員の最低ライン>Cランク冒険者>Dランク冒険者>Eランク冒険者>一般人


 一応、冒険者ギルドのレベル表

 Sランク冒険者レベル70後半以上

 Aランク冒険者レベル60後半以上

 Bランク冒険者レベル40後半以上

 Cランク冒険者レベル30以上

 Dランク冒険者レベル10以上

 Eランク冒険者レベル10以下


 冒険者ギルドのレベル表は割と適当な上に実はほとんど当てになりません。

 所詮レベルはレベルでしかなく、そんなものよりも、強力なスキルや強力な装備品等がよっぽど大切です。


 極論を言えば神器を持ったレベル1の子供であればやりようによってはSランク冒険者にも勝てます。

 そういう話です。

 ですのでレベルはあくまで分かりやすいから使ってる指標でしかないです。


 因みに序盤の方が化け物だらけすぎるけど、Cランク冒険者のラインであるレベル30以上の時点でそれなりに強い証明であり、100人隊長に任命される程度だったり、そこそこの規模の村一番の強者だったり、町でもそれなりに頼られるレベルでした。過去形。

 アンクル商会とダーネスのせいで、下手な冒険者よりもアンクル商会の店員さんの方が強いじゃんってなってしまったけど。

 村一番の強者はアンクル商会の店員(20代の美女)以下になるっていう悲しい事件が勃発しまくってるけど。


 マジで本当に原作迷子になったな・・・遠い目

 誰のせいかなって、俺のせいだわ。

 

 

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