俺氏、偽物にそれ相応の報いを与える


 午前の錬金授業が終わり、俺は一旦小城に戻り昼飯を食べていた。

 学食を食べても良かったが、メイド達が用意してくれるご飯の方が圧倒的に美味しいからな。

 

 クロと一緒に楽しく昼飯を食べている時だった。

 ハンゾウから念話が来た。


【殿、バーサーカーの偽物について調べ終わりましたので、ご報告をさせていただくでござる】


【ファーーー、もう調べ終わったか。流石ハンゾウ、仕事が早いな】


【ありがとうございますでござる。

 まず、バーサーカーの偽物は自分でバーサーカーと名乗っていなかったでござる】


【ファーーー、それは一体どういうことだ?】


【ようは、見栄を張っていたという話でござる。

 バーサーカーの偽物と思われていた人物の名前はバーサム、バーサーカーの統括している戦闘部隊の元メンバーでありレベルも63とそれなりに戦える人物でござる。

 ただ、酒によく溺れる為に除隊され、無職となり、とある伯爵家に食客という形で雇われるでごでざる。

 そこで、自分はあのバーサーカーの右腕だったと酒に酔った勢いで吹聴、右腕といってもバーサーカーの死体を片付けるという意味の情けない右腕であり、過大評価でござる。

 そして伯爵家の人は右腕という言葉からバーサムがめちゃくちゃに強いと信じてしまったでござる。

 その後は右腕だったのならば、実質あのバーサーカー殿と同じ力を持っている。

 つまりバーサーカー殿と同じであるという謎理論で自分はあのバーサーカーを食客として雇入れていると言いふらし、今に至るという訳でござる】 


【ファーーー、なるほど。それは何というかおバカな話だな】


【そうでござるな。

 して殿、どう処理をするでござるか?

 一応、某の方でバーサムは捕まえているでござるし、件の元凶である伯爵家の方も潰す用意は出来ているでござる】


【ファーーー、そうだな。正直そのバーサムって奴も伯爵家も別にそこまで悪いことをしたという訳じゃないんだファーーー。

 殺したり家を潰したりはやり過ぎだファーーー。

 ファーーー・・・どうするファーーー・・・・・・】


【殿、ではバーサーカーを送り込むのはいかがでござるか?

 自分の偽物に怒った本物が怒鳴り込んでくる。当たり前の話でござる】


【ファーーー、それはいいね。よし、じゃあハンゾウ、バーサーカーにその伯爵家に怒鳴り込んできてくれって伝えてくれファーーー。

 一応、捕らえているバーサムには余り不用意なことを言わないように、教育をしてあげるファーーー。

 あ、もちろんだけど殺しや一生癒えないレベルの傷を残すのはなしファーーー】


【かしこまりましたでござる。

 ではそのように処理をするでござる】


【任せたファーーー】


 俺はハンゾウとの念話を終わらせた。

 これでバーサーカー偽物問題は解決したな。

 めでたしめでたしって奴だ。


 さてと、昼飯の続きといきますか。


 かくして俺はクロと一緒に楽しく昼飯に舌鼓を打つのだった。

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