俺氏、寝坊する
二回戦を終えてから、服を着替えて朝飯を食べに向かう。
「昨夜はお楽しみでしたね。グレン様」
廊下に出たら俺の乳母であり、お目付け役のような立ち位置であるメイドがいた。
名前はセリア、種族はハーフエルフであり、見た目は20代前半くらいだ。
得意属性は風精霊魔法でレベルは7、魔力量が高いエルフの血を引いてる為に魔力量が高く、正直何故メイドをやってるのか不思議なくらい優秀な人だ。
年齢は秘密らしいが、おそらく150歳以上は超えていると思う。本当かどうかは知らん。
実はもクソもないんだが、貴族というのは基本的に家を継ぐ長男以外の子に対しては乳母を雇うというケースが多い。
理由としては、貴族である母親の負担軽減や貴族とし平民に仕事を与える為とか平民よりも魔力や身体能力が貴族の方が高い為に、それ相応の食欲があるから母親一人だと量が足りないとか、そういう伝統であるとか、魔力の高い女性の乳を飲んだ方がより成長するからわざわざ雇って飲ませてるとか、まあ色々な理由がそれぞれにあるが、とにかく大事なのは俺には乳母がおり、今目の前にいるメイドがその乳母だということだ。
一応、俺の実の母親も母乳を与えてくれたりもするが、半分以上は彼女がくれた乳で赤子の頃の俺は育っている。
俺の実の母親とも仲は良く、俺にとっては第二の母親のような存在である。
実際に俺が生まれた時か知っているし、付き合いの長さで言えばクロよりも長いからな。
そんな俺の第二の母親と言ってもいい、セリアが俺とクロのファーーーを知っていると。
・・・・・・・・・・・・
「ファーーー」
か弱いファーーーが出てしまう。
正直、小さい頃は怒られたりもしたから苦手意識がパナイ。
どうしよう・・・。
「別に怒ったりはしていませんよ。避妊さえしっかりしていただければ問題はないと思います」
「ファーーー」
元気の良いファーーーを出す。
「かといって、余り喜ばないでください。今もう昼過ぎですよ。水曜日の午前の授業終わってますよ」
「ファーーー?」
マジかという意味のファーーーを出す。
「こんなところで私が嘘をつく理由なんてないですよ。グレン様」
「ファーーー」
納得のファーーーを出す。
「それで?どうしますか?グレン様。今から学校に向かいますか?」
「ファーーー・・・」
悩みんでいるという意味のファーーーを出す。
「どうするかはグレン様次第です」
グーーー
お腹の音が鳴った。
もちろん俺のだ。
「ファーーー」
恥ずかしい。
「ご飯の用意は出来ていますよ。まずは腹ごしらえからですね」
「ファーーー」
同意の意思を示す。
という訳で、今は授業の事とか忘れて腹を満たすのだった。
――――――――――
ネタに走って、会話をファーーーだけで終わらしてみた。
第二の母親であり、付き合いの長い、セリアはファーーーだけで主人公の意思を理解出来るっている設定です。
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