俺氏、魔道(房中術)を知る(意味深) モブイ編


「グレン君、一つお願いしてもいいかな?」

 ベロア先生から頼みごとをされた。

 

「ファーーー、何でしょうか?」


「この状態異常完全回復薬を錬金魔法を使って空気散布してくれないかな?私の威圧で気絶させてしまった人を起こさないといけないからね」


 因みにだが、今、俺がベロア先生から受け取った状態異常完全回復薬ってのは俺が作ったオリジナルの錬金アイテムで、ゲームには本来存在しないアイテムだ。

 効果はそのまんま名前の通り、ありとあらゆる全ての状態異常を回復させるという代物だ。

 ゲームでも状態異常回復薬はあるにはあったが、全ての状態異常を回復する効果のある薬がアムリタとか世界樹の樹液とか万能薬といった非常にレアかつ高価なアイテムのみだったんで作った感じだ。

 いやまあゲームプレイ中はいくらでもアイテムを持ち込めたんで全種類の状態異常回復薬をもってけばいい話だし、治癒系統魔法で状態異常は簡単に回復出来たから、特に面倒に思ったことはなかったが、リアルの世界になるとあったら便利だファーーーってな。


 断る理由もないので、状態異常完全回復薬を錬金魔法を行使して空気中に散布する。


 さっきまで気絶してた他の生徒達が状態異常・気絶から解除されて次々と起きる。

 

「フフフ、今ので気絶してしまった皆さんはBグループになります。Bグループでもしっかりと魔道が使えるように指導しますので、安心してください。

 ではAグループとBグループで分かれましょうか。

 Aグループのお二人は私についてきてください。

 ベリ、エイリ、テスア後はよろしくね」


 俺とモブイはベロア先生についていく。


「フフフ、私の威圧に耐えるなんて二人共優秀だね。去年は誰も耐えれる人がいなかったから。私、少し寂しかったの」


「そうなんですか。俺、いや僕もベロア先生が直々に指導して貰えるなんてう、嬉しいです」

「ファーーー、まあ、レベル50以上じゃないと、あの威圧は耐えられないファーーー」


「そうね。でも私の相手をするんだったらレベル50以上は欲しいから、絶対に外せない条件だったの。フフフ、今から楽しみだわ」

 妖艶な笑みを浮かべるベロア先生は何というか凄くエロかった。

 そして、気が付く。

 俺の息子がファーーーしていることに。


 何故だ?

 俺はさっき性欲衰退薬を飲んだはずだ。

 俺が作った最高品質の薬だから、最低でも1日は持つはずだぞ、こんなに早く効果が切れるわけがない、それこそ解毒剤を服用しない限りって、あ。

 状態異常完全回復薬を俺、空気中に散布したな。

 俺も範囲に含まれてるな。


 ・・・・・・・・・


 性欲衰退薬最後に一本だったな。


 ファーーー。

 流石にこれはファーーーだわ。


 取り敢えず、一旦、幻覚魔法を使用して隠しておこう。


 無詠唱で幻覚魔法を使い、股間がファーーーしてないように見せる。


「グレン君、今何かした?」

 魔力操作にも長けているサキュバスクイーンであるベロア先生は違和感に気が付いたか。


「ファーーー、ちょっと、喉が渇いたので空間魔法を使って飲み物を取り出して飲んでました」

 何食わぬ顔で手元に水筒を出す。

 

「フフフ、そうだったのね。確かに水分補給は大切だわ」


 これは何とか誤魔化せたか?多分。・・・多分?知らんけど。


「グレン、俺もなんか緊張で喉が渇いて来た。飲み物持ってない」


「ああ、良いぞ」

 モブイにもう一本新しい水筒を取り出して渡す。


「ありがとう。グレン」


「どういたしましてファーーー」


 ひと悶着ありつつも、歩いていき、学園の校舎地下1階にある部屋に到着した。

 中は少し薄暗いが、そこそこの広さがあった。

 部屋の左側半分がカーテンで区切れらており、そこには大きなキングサイズのベットやら怪しい薬やら本が所せましに置いてあり、それ以外は普通の教室って感じだった。


「さてと。じゃあ、早速Aグループの授業を始めましょうか。

 まずは二人共服を脱いでね」


 服を脱ぐ?

 下着姿ってことか、そういえば気の修行の時も下着姿にさせてたな。

 理由はこの方が自然の力を感じやすく覚えやすくなるとかだったっけ?まあ完全い魔王殺しの英雄学園がエロゲだったからの設定だが、まあ多分それだろう。


 俺は大人しく服を脱ぎ、下着姿になる。


「グレン、ベロア先生がいるのに、思い切りがいいな。クソ、恥ずかしがってるんじゃねぇ、俺も男だ」

 最初は恥ずかしがって服を脱ぐのをためらっていたモブイも服を脱いだ。


 そして露になるモブイの身体はとんでもなかった。

 まず目につくのは心臓からお腹にかけての大きな裂傷、何か鋭利な物でバッサリと抉られたような跡であり、それ以外にも大小様々な傷が痛々しく生々しく、おびただしい程刻まれていた。

 そんな傷と同じくらい目立つのは鍛え抜かれた圧倒的な筋肉であった。

 バキバキなんて言葉では言い表せない程に引き締まり鍛え抜かれた肉体、鉄の剣程度であれば刺さらなと断言出来てしまう程の肉体。

 一体どんな鍛え方を、いや、どんな環境にいればこうなるんだ。


「モブイ、お前・・・大丈夫か」

 ファーーーも忘れてガチで心配してしまう。


「ああ。大丈夫だよ。ちょっと家庭の事情で出来てしまった傷だよ。まあ、もう痛くないから平気だ」

 そう呟くモブイの顔は、本当に何も気にしていなさそうで、逆にそれがモブイの過去の辛さを物語っていた。


「モブイ・・・アムリタいるか?丁度手元に1本あるぞ。もちろんタダでいい。俺の力なアムリタ程度は作れるからさ」

 古傷すらも完全治癒出来るアムリタならば、モブイの肉体を綺麗な状態に戻すことが出来る。


「いや、いい。使うなら本当に必要としている人の所に使ってあげてくれ。それに、俺は割とこの傷を気に入ってるんだよ。男の勲章って奴だな」


「ファーーー・・・お前カッコイイな」


「男にそんなこと言われても嬉しかねえよ」


「ファーーー、そうだな、間違いないわ」


「フフフ、いいね。青春って感じで。先生高ぶってきちゃったわ」

 

 そこにいたのはほとんど大事な所のみを隠すことしかしてないような黒の下着を身に着けたベロア先生だった。

 これは何というか、凄くエチチ、いやエチチを超えてファーーーだな。

 ファーーー過ぎるな。

 

 あれ?つか、何でベロア先生まで下着姿?になってるんだ。

 これってもしかしなくても、ファーーーってことじゃね?え?あれ?

 魔王殺しの英雄学園らしく、18禁展開がファーーーしちゃう?





――――――――――


 モブイの過去はまた追い追い。

 ただ、一つだけ言えることが、主人公かよって感じの過去を持っており、主人公もどきはもちろんのこと、主人公グレンよりも、主人公してます。

 それがモブイです。

 原作にモブイが出て来てたと主人公が気が付くのは一体いつになるのやらやら。

 まあ、気が付きにくい設定ではあるからしょうがないけどファーーー。




 流石に中途半端な気がするので今日の20時にもう一話投稿予定。


 

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