俺氏、魔道(房中術)を知る 前編


「まず、物凄く大雑把に魔法と魔術と魔道について説明をするよ。

 魔法っていうのは、体内にあるMPを消費して世界に影響を及ぼすことであり、基本的にイメージ・想像力と必要魔力にMPの条件を満たしていれば発動が可能な事象。上級者だとイメージ次第で様々な魔法を自由に発動できるよ。基本的には魔法が最もメジャーであり、皆が愛用しているね。


 次に魔術っていうのは、どのようなプロセスでこの世界に影響を及ぼす事象を引き起こすのかを演算し、魔術式等を描いて発動する物。

 魔術式の組み方次第では自分のMPを消費せずとも、空気中にある魔力を使って事象を引き起こすことが出来たり、自分の魔力やMP以上の強力な事象を引き起こすことも可能だよ。

 ただし魔術を使用するにはそれ相応の知識に熟練度は必要であったり、魔術式に描かれた事象しか引き起こすことが出来ない等の欠点も存在するよ。

 それでも自分の実力以上の力を発揮出来たり、大人数で協力して発動する、儀式魔術等はたった一撃で戦況を変えたり、都市を壊滅させれる力を持っているよ。


 最後に魔道。

 これは、ジャポンと呼ばれるここから遠い東にある島国にて生まれた気という概念を流用して生み出された、魔法とも魔術とも違う新しい力よ。

 この気は私達で言う魔力のようなものであり、気を消費することは魔力の最大値を減らすのと同じことだったわ。

 その為、気は身体を強化するのに使い、魔法のような放出をするなんてのは絶対にあり得ないとされていたわ。

 じゃあ、魔道とは何か物凄く大雑把に言えば、この気と呼ばれる力と魔力を融合させた上で、MPに気の力を乗せれて、気の消費を極限まで抑えた上で魔法や魔術の様に放出攻撃をするというものよ。

 この魔道の力は魔法と魔術とは違うから、耐性スキルを貫通出来る上に、魔法の様にイメージ次第で自由に魔法が発動出来つつ、魔術の様に魔法よりも高い威力を持っている圧倒的に利点があるわ。

 

 以上、今の説明を聞いたら魔道を使いたくなってみたでしょ」


「はい。使ってみたいです」

「私も使ってみたいです」

「魔道スゲーーー」

「初めて魔道知ったけど、とんでもないな」

「この授業、超絶当たりじゃね」


 生徒たちの声は肯定であった。

 確かに、今の説明を聞いたら、魔道ってめちゃくちゃ凄いな、使いたいってなるな。

 ただ、この魔道って気っていう力がないと話にならないんじゃね?

 そしてこの気っていう概念ならば俺は知ってるぞ。

 

 エンドコンテンツの一つである。

 【蘇る天魔】にて覚えられるスキルだ。

 基礎スキルである【気】から進んでいき、内功、外功を覚えて、武功を覚えて、そこから秘伝書を使用して天魔武功や筋肉武功や梅花武功や青蘭武功等々の様々な武功を覚え強くなっていく。

 ただ、これ気を覚える大前提としてレベル50以上or一定水準以上のスキルを所持しているという点がある上に才能にも左右される筈だぞ。


 え?割と難易度馬鹿高くない。


「フフフ。皆が魔道に興味を持って嬉しいわ。

 私の授業、近接魔道術講座では、そんな魔道を教えつつ、魔道を利用した近接戦闘術を中心に授業をしていくわ。

 という訳でまずは気が使えないと話にならないから気を覚える所から始めましょうか」


 え?だから、気覚えるのって難しくない?

 どうやって覚えさせるの?


「気を感じるのは本来であれば、凄く大変で難しくてそれ相応の才能や能力が必要だけど、とある方法を使えば誰でも簡単に気を感じ、扱えるようになるわ」


 そんな夢のような方法あったけ?

 ゲームではなかった筈だけど。


「それは、房中術よ」


 房中術?え?それってセッじゃない。

 え?大丈夫じゃないだろ。普通に不味くね?ヤバくね?

 

 辺りを見渡すが皆、房中術という言葉を知らないのかピンと来ておらずに頭に???マークが付きまくっている。


「あらあら、フフフ。皆、房中術が何か理解してないか。じゃあ、後でお姉さんたちが手取り足取り教えてあげる。

 ただ、その前にグループ分けをしましょうね。

 

 スキル発動・威圧」


 ベロア先生から強烈な威圧が放たれる。

 俺は平気だが、体感レベル50以上ないと耐えられないレベルの強力な威圧だ。

 なるほど、グループ分けってのは、つまり房中術しなくても気を覚えられるグループと覚えられないグループってことか。

 耐えられた俺は前者に振り分けられるな。

 でも、レベル50以上って普通に高いぞ、それこそ1年生時点でレベル50以上なんて俺と主人公もどきと一部ヒロインくらいって、あ、そのヒロイン達は俺のせいで学園通ってなかったわ。

 となると、俺以外全員気絶かな。


「グレン、お前もこの威圧に耐えれたか」

 

 モブイが涼しい顔で威圧に耐えていた。


「ファーーー、え?モブイ。お前?え?レベル50以上あるの?」


「まあな、そういうグレンだって、あるじゃないか」


「ファーーー、いやそうだけど。モブイ強かったんだな」


「それなりにだけどな。それよりもベロア先生からの強烈な威圧、いやぁ素晴らしいご褒美ですな」

 この威圧をご褒美というか。

 モブイ、お前って奴は・・・マジでファーーーだな。

 ただ、これモブイにとっては気絶した方がベロア先生と房中術出来る可能性あるから良かったんじゃ。

 なんか可哀想だ。


「ファーーー、そ、そうか」


「フフフ、私の威圧に二人も耐えたか。じゃあ君たち二人はAグループで他がBグループね」

 

 かくかくしかじか、取り敢えず俺はAグループに分類されたのだった。


 




――――――――――


 次回、もう既に踏みっぱなしのアクセルを更に踏み込んでいきます。


 後、主人公であるグレンは気が付いてないですが、モブイ君は原作にて登場しているキャラであります。

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