俺氏、屋敷を貰う


 英雄学園では基本的には寮で生活をすることになる。

 そう、基本的にはだ。


 Sクラスになるとそれぞれに屋敷が与えられて、寮生活をしなくても良くなるのだ。

 Sクラス10人いるから英雄学園には屋敷が10個あるってことって思うが、違うのである。


 英雄学園の敷地内に屋敷は全部で60個ある。


 多すぎるって思うだろ。

 俺もそう思う。


 ようは英雄学園は4年生まであるんだ。

 なので、それぞれの学年のSクラスごとに屋敷が用意されるんで、この時点で最低でも4×10で40個。

 そこから教師が使う用に屋敷が10個。

 Sクラスには入れなかったものの、政治的な都合や非常に地位の高い人物に使う用の屋敷が7個。

 残り3個は何かあった時の来客用だ。


 ゲームだった頃は簡単に移動出来たからそこまで違和感を抱いていなかったが、英雄学園ってのはめちゃくちゃに広い。

 語彙力が馬鹿になるくらいに広い。

 確かゲーム内の説明で東京ドーム38個分くらいの広さがあるとか書いてあった気がする。

 いや、それ、北海道大学やんってツッコミはネット上でも大いにあったわ。俺もそう思う。


 ただ異世界というだけあって割と皆化け物じみた身体能力と体力を持ってはいるから、移動は割と困らないらしい、それに端の方は屋敷とか研究室とかダンジョンとか闘技場とかになってくるからね。

 ファーーって感じだ。


 そんな60個ある屋敷の内一つを俺は使わせて貰えることとなった。

 正確に言えば俺の持つ肩書が割と大きいので、政治的的な都合等で使える7つの屋敷の内一つを使える感じだ。


 もちろん、その肩書ってのは俺がアスフォール家の五男だからという訳じゃあない。

 最近力をつけて来たとはいえ、たかだが伯爵家、それも五男ごときが屋敷を使わせて貰えるわけがない。


 ただ、俺にはもう一つ肩書がある。

 それはアンクル商会の錬金部門統括者であるということだ。


 俺が作ったアンクル商会は俺の意図に反して巨大化して、それ相応の影響力を持つようになった。

 その影響力となれば俺の今いるヤマダ王国の国王という地位ですらアンクル商会の匙加減で好きに出来る程度だ。


 まあ、めちゃくちゃだと思うが、気が付いてたらそうなってた。

 やっぱりめちゃくちゃだと思う。


 そんなアンクル商会には七幹部という組織を支配するトップが七人とアンクル商会に存在する様々な部門を統括している統括者達が12人いる。

 合計で19人いる。七幹部と統括者がアンクル商会の事実上の支配者であり、それ相応の権力が与えられている。


 まあ、俺は七幹部の一人である森羅万象のSランク冒険者・グリアも兼任しているから19人ではないんだけど、他にも兼任してる奴いるし、そこら辺は一旦置いておこう。


 とどのつまりどういうことかというと、アスフォール家の五男であるグレン・アスフォールという身分なんかよりもめちゃくちゃに偉いという訳だ。


 割と冗談抜きで権力や立場という点でみれば、アンクル商会の統括者ってだけでヤマダ王国の公爵家に匹敵する、否、上回る程度にはある。


 そんな超絶お偉いさんである俺を寮に入れれますか?

 無理だよねってことで屋敷を貰えた訳だ。


 ただ、アンクル商会の統括者が凄く偉くて権力あるんだよってのは、ある程度、アンクル商会について知っていないと気が付かない。

 一応、自己紹介の時に言ったけど、しれっと流されたのは多分皆アンクル商会に詳しくなくて統括者の地位がどれだけ凄いのが気が付いていないんだろうな。

 マジでファーーーだわ。


 ベロア先生は気が付いてかもだけど、ガッツリ、アンクル商会の手の者だからな。

 ファーーーがファーーーしてるわ。


 まあ、別にどうでもいいか、今はただ屋敷を貸して貰えたことに感謝を。





―――――――――――



面白いと思って頂けると嬉しい限りです。


次回は少しというかある程度、アンクル商会とダーネスについて説明しようと思います。


 

 


 

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