俺氏、原作主人公が転生者だと知る
目が覚める。
隣を見たら朝の水分補給のための水と顔を洗うような温水にタオル、そしてハンゾウがいた。
取り敢えず、水を飲み、顔を洗ってタオルで拭く。
「殿、御目覚めでござるか」
「ファーーー、どうしたハンゾウ。何かあったか?」
「それが、昨日殿が調査をしろとおっしゃった。原作主人公についてでござる」
「ファーーー、興味深いな。教えてくれ」
「かしこまりましたでござる。まず、殿のおっしゃっていた原作主人公の名前はジークでござる。そして、ジークは現時点でレベルが51、得意属性である無属性のレベルも5と、現在15歳であるという点を考えれば非常に高かったでござる。
そして、殿のおっしゃっていたヒロインと呼ばれる女性達である、幼馴染・ユイと盗賊ギルドの僕っ娘・アレン、義理のお母さん・マリナの三人と関係を持っており、それぞれ三人の得意属性を自由に使えるレベルにあったでござる。
また、ヒロインではないものの他にも複数の女性と関係を持っており、様々な得意属性を扱えるようでござる。
監視中、自室にて「アンクル商会とダーネスのせいで原作が変わってしまった」「他にも俺のような転生者がいる可能性が高い」「レベルも上げたし学園でもハーレムを作ってやる」「今世では素晴らしい人生を送るんだ」等の言葉を使っていた為に、殿が以前おっしゃっていた転生者というもので間違いないと思うでござる」
「ファーーー、マジかよ。いやマジでファーーーだよ。ファーーーが過ぎるよ。ファーーーだよ。
つまり、アレか?原作主人公、ジーク君はほぼ100%異世界転生者であり、原作知識を使って割と好き放題してるってことか?」
「そうでござるな」
「ファーーー、マジかよ。いやまあアンクル商会とダーネスとかいうヤベエ組織作って魔王復活を根本から阻止されて原作を完璧に迷子にさせた俺が言えた義理ではないかもだけど、マジかよ。それは、エグイな」
「そうでござるな。これからどうするでござるか、殿」
「ファーーー、そうだな。取り敢えずハンゾウは監視を続けてくれ。特に始末しようとかは考えなくていい。何かやらかさないか監視だけしてくれ」
「かしこまりましたでござる」
ハンゾウはその場から立ち去った。
コンコン
タイミング良く、ドアをノックする音が聞こえた。
どうやらメイドさんが来てくれたようだ。
「グレン様、朝食の用意が出来ました」
「分かった。今すぐ向かうと伝えてくれ」
「かしこまりました」
基本的に朝食は家族全員で仲良く食べる。
これがアスフォール家の習わしだ。
「朝食を食べに行くか。ファーーー」
サクッと服に着替えて、部屋を出る。
廊下を歩いてる途中ダレルア兄さんと出会った。
アムリタの件以降話をするようになり、今では割と仲良くなっている。
「グレンも今日から英雄学園に入学か。早い物だな」
「俺もそう思うファーーー。本当に早い物だよ」
「ハハハ、そうか、グレンもそう思うか。まあ人生で一度っきりの学園生活だ。思う存分楽しめよ。英雄学園はイベントが盛りだくさんで楽しい所だからな」
「そうだな、楽しみにするファーーー」
「ああ、それがいい。しかし英雄学園か。懐かしいな。俺は病気のせいで一時期休学してたからな。まあ、今はグレンのおかげで治ったけどな。あの時は本当にありがとうな」
「ファーーー、何度も言ってるけど、気にしなくていいファーー。だって家族なんだからファーーー」
「そうだったな。それでもありがとうなグレン。さて、一緒に朝飯を食べに行くか」
「ファーーー」
俺はダレルア兄さんと一緒に居間へと向かった。
もう既に家族は集結していて、俺が今日英雄学園に入学することに触れつつ、家族で仲良くご飯を食べたのだった。
――――――――――――
書いてて、この主人公、ファーーー、ファーーー、うるさいな黙れと思った作者がいた。
ごめんなさい。
それでもこの主人公のアイデンティティだから、ファーーーはやめない。やめさせない。やめれない。というか一応理由があるファーーー。
まあ、途中、ファーーーが語尾になったり、ファーーーで感情表現をする場合が増えるとは思いますが、まあそこはご愛嬌ということで。
因みに、ネタバレですが、ファーーーしてしまうと原作主人公は最初の方で自殺した学生です。
今の所はオタクで勉強や運動が得意ではなく、学校に上手く馴染めず、それを勝手に虐めと勘違いして、親や先生に頼るも上手く行かず、そうして逆恨みの果てに身勝手な遺書を残して、異世界転生目指して自殺という非常にアレな感じのキャラです。
最終的にはざまぁさせるつもりですので安心してください。
この小説が面白いと思っていただけましたら、星やハートを入れて頂けると嬉しい限りです。
作者のモチベーションが上がりますファーーー。
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