俺氏、とある可能性に気が付いてしまう
俺は何だかんだで15歳になった。
そして、明日から魔王殺しの英雄学園の主な舞台であり様々な楽しく危険に溢れるイベントが盛りだくさんの英雄学園へと通うこととなる。
まあ、俺のせいで魔王殺しの英雄学園の原作、ぐちゃぐちゃになってるし、イベントのほとんどが発生しない可能性は大きくあるが、そこは最悪、アンクル商会とダーネスの力をフル活用して自作自演でイベントを起こそうと思う。
やっぱり楽しいことが重要だと思うからね俺は。
しっかし、アレだな。何というか、時の流れとは早い物だな。
俺が魔王殺しの英雄学園の世界に転生してもう15年も立ったとかマジで信じられない。
もしも、あの日、学生の飛び降り自殺に巻き込まれなければ、当時41歳だった俺は56歳。
人生の半分以上の時を過ごして、定年退職すら見えてくる年齢だ。
出世欲はなかったが、それなりに仕事は出来たし、同僚からの信頼も厚く、アニメ談話で上司や本社の人と非常に仲も良かった。多分そこそこ出世はしていて、係長くらいにはなってたかもな。
年収も800万~900万程度あって、アメリカの複合株に資産の5割を幾つか優待券目当てで好きな日本の会社の株を資産の3割程度買って残りは貯蓄して、金銭的には結構余裕があって、割と楽しく独身貴族のオタクライフを満喫してただろうな。
それが、今は異世界転生だもんな。
全くもって人生って何が起こるか分からないものだよな。
しかし、あの時の学生はどうして投身自殺をしたんだろうか。
まだ若くて希望もあっただろうに、仮にいじめられていたとか、将来に不安があったとしても、誰かに相談するなりできたはずだ。
そういう場所があることくらいは知っている。
それなのによりにもよって自殺を選んだ。自殺という選択を取って安易に逃げてしまった。命を断ってしまった。世の中には生きたくても生きれない人もいるというのに。
もしかしたらあの学生は自殺したら異世界に転生ないし転移出来ると信じていたのか。
そういうライトノベルは当時も幾つか存在したし、そういう思考を持って遺書にもそういう内容を書いたという事例は悲しいことに聞いたことはある。
・・・・・・・・・・・
?
待てよ?
ふと、そうふと思ったのだが、件の投身自殺をした学生が異世界に転生ないし転移してる可能性ない?
それも主人公ポジションなり他の強キャラのポジションとして。
あり得なくはない。
そう、あり得ない話ではない。
だって現に俺は異世界に転生をしてるのだから。
・・・・・・・・・
俺は明日から英雄学園に通う。
つまり、今日は英雄学園の入学式の1日前ということだ。
それ即ち原作の開始1日前ということだ。
多分、原作主人公は実はかの偉大なる大英雄ユウキの血筋であり、覚醒遺伝という設定でその潜在能力に目を付けた英雄学園に平民だが特別枠として受験なしの特待生として入学が決まった筈だ。
今は確か夕方だし、英雄学園の寮で諸々の説明を受けていう途中だろう。
「これは調査した方がいいな。ハンゾウよ。原作主人公について調査をしろ。おそらく英雄学園の特待生枠で入学をする筈だファーーー」
「かしこまりましたでござる」
いつも側に控えているハンゾウの分身に命令を下した後、今から色々考えても仕方がない気がしたので、夕飯を食べ、風呂に入り、幾つかアイテムを錬金した後、明日に備えて就寝した。
――――――――――――
補足説明
主人公は過去にホムンクルス達に自分に前世があり、この世界は魔王殺しの英雄学園の世界だと説明し、その他様々な原作知識を教えています。
教えた理由としてホムンクルスは絶対に裏切らないから教えたとしても問題ないだろうという判断と自分が命令をする際に教えていた方が色々と説明が楽だなと判断をしたからです。
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