俺氏、父上と会話するファーーー
「グレン、今、これをアムリタと言ったか?これがあのアムリタなのか?」
父上に感謝の気持ちを込めつつ、偶々アムリタを作れたと説明をして渡したのだが、信じて貰えてなさそうだな。これは。
「ファーーー、父上の得意属性は鑑定魔法でしたよね。鑑定すれば分かると思います。ファーーー」
ついつい癖でファーーーという言葉を発しながらそう伝える。
鑑定魔法はそのまんま、アイテムや人物や武器等々を鑑定する、ラノベ定番のチート魔法だ。
父上はこの鑑定魔法が得意属性であり、美術品の鑑定等で貴族達に頼られる程度には使えたはずだ。
多分、アムリタの鑑定も出来ると思う。
「そ、そうだな。今鑑定してみる。鑑定魔法・アイテム鑑定。
・・・・・・・・・
ほ、本物だ。ああ、間違いない。本物のアムリタだ」
「ファーーー、それはそうですよ。さあ、このアムリタを使ってダレルアお兄さんを治してあげてください」
「グ、グレンよ。それは願ってもないことだ。今すぐにダレルアを治してあげたい。だが、このアムリタを本当にグレンが作ったんだよな。誰の手も借りずに、俺が与えたあの部屋にある素材だけで・・・」
誰の手も借りてないけど、素材は幾つか俺が冒険者をしてる途中で集めたり、アンクル商会の方で集めさせた物だからな。
アムリタは色々な作り方があるけれども、今回の作成方法では世界樹の葉に最上位龍の血液、神霊峰の蒸留水、超越存在の涙の4つ、どれもこれも数千万、数億ゴールドはするし、超越存在の涙とか十億ゴールドは余裕でいく代物だ。
これは、教えた方がいいかな?
あれ?でも待てよ。確か鑑定魔法って得意属性レベル5あれば製作者と使用した材料表示される詳細鑑定使えなかったけ?
じゃあ、少しぼかしてそれっぽいことを言うか。
「ファーーー、父上、アムリタは俺一人で作成しました。ただ、素材集めの方はアンクル商会の力を借りました。実は数年前から俺の錬金魔法で作ったアイテムや武器防具をアンクル商会に売っていたのです」
「そ、そうだったのか。しかしそれなら何故そのことを伝えてくれなかったのだ」
「ファーーー、それは、王家に拘束されない為です。俺は錬金魔法の才能があります。錬金魔法のレベルは8までいきました。
ただまだ子供です。この才能に目をつけられて王家に絶対服従を誓わされて、王家の為だけに錬金をする奴隷みたいな存在に私はなりたくなかったのです。だから隠していました。ごめんなさいファーーー」
まあ、実際は錬金魔法のレベルはマックスの10であり、アンクル商会とダーネスも俺の支配下にいて、素のレベルも100という限界を超えた化け物の中の化け物だけどね。
王家が俺に絶対服従とかふざけたことを抜かしたら全部キリリングゴー出来るくらいには武力もあるし、アンクル商会とダーネスを利用して他国からも政治的な圧力をかけたり、内乱を起こせるだけの政治力に資金力も持ってるけどね。
ファーーー、俺って凄いな。
「そうか、そうだったのか。すまない。グレンよ。気が付いてあげられなくて。グレンの錬金魔法のレベルが8であり、アムリタを作成できるだけの才能を持ってることは絶対に秘密にしよう。アムリタの出どころも俺の方で何とか誤魔化しておく。
それと、グレンの人生はグレンのものだ。自分の生きたいように生きればいい。俺は父親として精一杯それを応援しよう」
「父上・・・」
思わずファーーーという口癖が忘れるくらいに父上の言葉はカッコよかった。
こんな優しくて良い父親がいて何で原作のグレンはあんな怠惰なかませ犬になってしまったのだろうか。いや逆か。優しくて良い父親だからこうなったのか。
「ファーーー、では父上はダレルア兄さんにアムリタを渡してあげてください。それとこのアムリタは俺なりの親孝行の一つです。気にしないでください。俺は父上と母上にアムリタ以上の愛情を貰っていますから」
「グレン・・・ありがとう。本当にありがとう」
そう言って父上が俺を抱きしめてくれる。
俺の背中に雫を感じた。
父上の涙であった。
俺も泣くつもりはなかったけど、何故か涙が溢れて来た。
そうして俺は父上と一緒に暫く泣き合うのだった。
――――――――――
一応、声に出して喋ってる時とその場面にて考えている時は父上。
一人でいる時とか他人のような視点で見る時は父親って書き方してます。
まあ、物語に問題はないので気にしないでください。
因みに父上はグレンが今までの錬金アイテムを売って手に入れた稼ぎを全部使って素材を集めてアムリタを作ったと勘違いしてます。
実際はもっと大量に作れますし、なんなら、魔邪神信仰討伐作戦の時は100個とか作ってます。
作者はドラ〇エで世界樹の葉もったいなくて使わないタイプですし、レベリング好きなので使わずにクリアできちゃうタイプですがこれなら気にせずに使えますね(笑)
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