俺氏、生贄の断罪日が勝手にぶっ潰れてた件について
魔邪神信仰・・・魔王と邪神を信仰する狂信者の集まりであり、様々な種族が所属している組織。
8割以上のメンバーは魔族であり、元魔王軍四天王も所属しており、命を何とも思わず、自分たちの目的である魔王復活と邪神復活の為ならば文字通りなんでもする悍ましき組織である。
そんな魔邪神信仰の主は原則として魔王、邪神であり、その両方が復活していない現在、組織の運営は8人の幹部が行っていた。
そして今8人の幹部達にて話し合いが行われていた。
「さて、今回集まったのは他でもない、100年以上も昔から進めている魔王様と邪神様の復活計画に支障が起きているという件だ」
「魔王様復活計画の方はそこまで支障出てないだろ。魔王様の復活の為には極論良質な闇の魔力さえあれば大丈夫なのだから」
「それはそうだが、その為には高位信者を何人か犠牲にすることになるが?」
「いや、それは許容範囲内だろう。それに高位信者共も魔王様復活の生贄になれるんだ。喜んで生贄になるだろ」
「おい、我らが同胞に対してそんな言い方はないだろ」
「ハハハ、相変わらずお堅いね。まあ、でも魔王様復活計画は絶対に必要だ。生贄以外の方法あるか?」
「それは・・・ないな」
「そういうことだ。まあ適当に高位信者の中から生贄志願者を募ればいいだろ」
「それなら、何人か生贄に志願しそうな人がいますね。なんなら私が生贄に志願したいくらいです。フフフ。だって魔王様の身体の一部に私の魔力が使われるのですから。嗚呼。素晴らしい。素晴らしい。素晴らしい」
「黙れ狂魔。お前が抜けたらこっちの戦力がガタ落ちだろ」
「フフフ、そうですね。そうですか。まあ、魔王様に仕えるのも良いですし、生贄という大役は別の者に任せましょうか」
「魔王様復活計画の方は大丈夫だ。ただ、問題は邪神様復活計画の方だ」
「あらあらまあまあ、難しいですですねぁ」
「相変わらず気持ち悪い喋り方するな」
「あらあら、酷いことを言いますますねぁ」
「ハア、まあいい。それで?隷魔、邪神様復活に必要な生命の球と信仰の球は作れたか?」
「そ、それですがね。あの憎きアンクル商会とダーネスに邪魔をされてしまい、う、上手く、集めれてないでござる」
「クソがよ。アンクル商会にダーネスめ。俺達の邪魔をしやがって」
「まあまあ、落ち着けよ。憤魔、今怒ってもしょうがないだろ。ああ、そうだしょうがないんだ」
「まあ、そうだな。それで?隷魔どうするんだ?」
「そ、それはね。えっとね。む、む、無理でござる。少なくとも某一人の力では」
「つまり、力を貸せということだな」
「そ、そうでござる。でも力を貸して貰っても、む、む、無理かもでござる」
「おい、何だよお前、はっきりと喋れよ。何が言いたいんだよ」
「まあ、待て、皆落ち着いて聞け、アンクル商会とダーネスの力ははっきり言って異常だ。二つともまだ出来て数年な筈なのに、アンクル商会はこの世界のほぼ全ての国に店を構えて、多大なる影響力を持ち、アンクル商会がなければ国の経済が終わるというレベルだ。
ダーネスも同じようのほぼ全ての国の裏組織を壊滅させた上に合併吸収をさせ、一部の国では貴族すらも洗脳して操り人形にしている。またその戦力も未知数であり、少なく見積もってもダーネスだけで我ら魔邪神信仰に匹敵するレベルだ。
アンクル商会と合わせればその戦力足るや否や、想像するのすら恐ろしい」
「そ、そこまでなのか」
「ああ。そこまでだ」
「どうする?魔王様の復活は出来たとしても、このままだと邪神様の復活は厳しそうだが?」
「そうだな。一応我が考えているのは邪神様復活計画の方は100年先に見送るということだ」
「100年先?」
「ああ。そうだ。いくらアンクル商会とダーネスが驚異的であるとはいえ、調べば間違ってなければ創設者は人間だ100年立てば寿命で死ぬだろう。そうなれば自然と両組織とも瓦解する可能性が非常に高い。
それを狙うんだ。幸い我らは全員魔族であり、寿命という点で言えば非常に長いからな」
「理には適っているな」
「一ついいか?人間でも特殊なアイテムやスキルを覚えれば寿命という概念から解放されることは可能じゃなかったか?」
「・・・・・・あ。確かにそうだな」
「無理じゃないか?」
「おい、あんた無理とか言うなよ。諦めるなよ。我らが悲願である邪神様の復活を何だと思ってやがる」
「じゃあ。どうするのが正解なんだよ」
「そんなものアンクル商会もダーネスも全部ぶち壊せばいいだろ」
「それが出来たら苦労しねえよ」
「じゃあ、どうするんだよ」
「知るかよ」
「おい、お前ら喧嘩をするな。何とか互いに協力をしていこうじゃないか」
「そうだな・・・すまない」
「ああ俺の方こそすまない」
「取り敢えずこのまま話していても埒があかない、1日やる各自何か案を考えようではないか。
皆異論はないな」
「ああ。俺はないぞ」
「わ、私もないでござる」
「僕もないよ」
「取り敢えず皆異論はないな。よし、じゃあ今日は一旦解散だ」
かくして次の日、案を出すが同じように不毛な言い争いをして結局何も決まらないことを今はまだ誰も知らなかった。
以下、エンドレス。
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