俺氏、なんかヤベエ組織を作っていた


 アンクル商会という商会がある。

 この商会は1年前に突如現れたアンクルという一人の青年が作り上げた商会であった。

 アンクル商会にて並ぶ商品はどれも原価とほぼ変わらないレベルで安く、品質も良く、店員もしっかりと教育されていた。

 特に錬金術によって生み出される商品は原価を下手をしなくても割るレベルで安いのにも関わらず品質という点でも圧倒的に優れており、あっという間に大勢の客で賑わう人気店となった。

 

 他の商会も流石にこの値段は開店セールの客寄せパンダのようなものであり、ずっと続くはずがないと思っていたが、そういうことはなく、アンクル商会は次々と店舗を増やしていき、その店舗でも同じような低価格高品質を維持していた。

 かくして僅か三カ月で国内全ての主要都市に店を構えて、シェアを広げ、名実ともに大商会への仲間入りを果たしたのだった。

 

 もちろんそれをよく思わない商会は大量にあった。

 それはそうだという話だ。

 アンクル商会というのは彼らからしてみれば、いきなり現れて自分たちの客を奪っていった悪なのだが。


 かくして、その商会たちはとある非合法な裏組織と手を組んでアンクル商会を滅ぼそうとした。

 その裏組織の名前はダーネス

 これまたここ三カ月でいきなり現れた裏組織であり、圧倒的な武力と超高品質のアイテムや装備に異常ともいえるレベルで他裏組織の情報収集能力を持ち、違法奴隷商を含む、様々な裏組織を片っ端から壊滅させて、合併吸収を繰り返してひたすらに勢力を拡大させていっている最強最悪の裏組織であった。

 そこれそ一部の小さな裏組織や世界各地に勢力を持った世界トップレベルの裏組織である遊戯天弱や天楽名勢に魔邪神信仰等を除けば、国内にはダーネス以外の裏組織は存在しない、そんな状態となっていた。


 かくして、そんなダーネスに依頼を持ち込んだ商会達は次の晩、全員が無残な死体となって発見されると共にダーネスによって二度と商会運営できないように潰されてしまっていた。

 そして、その潰された商会の跡地や解雇された従業員等をアンクル商会は買占め、雇い直し、恐ろしい程に迅速な事実的合併吸収を行っていった。

 ここまで来れば馬鹿でも分かるというものだ。

 世界規模にまで発展を遂げようとしている裏組織ダーネスと世界規模にまで成長しようとしているアンクル商会は裏で繋がっていると。


 そのまま、誰にも止められることなくアンクル商会も裏組織ダーネスもその勢力を他国に広げていくことになる。


 更に不思議なことにアンクル商会はその地域にて起こるであろう問題を事前に知っていたかのような動きを度々取ることでも有名であった。

 何故かその地域で魔物暴走が起きるのを知っており、期待の新人にして、森羅万象の二つ名を持つSランク級冒険者・グリアと協力して魔物暴走を食い止めたり。

 何故か津波の発生を予測して、事前に住民を避難させていたり、何故か山崩れを知っていて今度は土魔法を使い山崩れを食い止めたりと、それこそアンクル商会が行った奇跡とも呼べる所業をあげればキリがなく、アンクル商会によって助けられた人々はアンクル商会に更なる依存をするようになっていった。


 裏組織であるダーネスでも、裏組織でありながら違法なことはほとんどせずに、むしろ違法奴隷を減らす為の努力を行ったり、重税を課し、市民を虐げる悪しき貴族や領主をこっそり暗殺したり(後にその後継者をあらかじめ仲間(洗脳)にしている者になるように動いている)。

 違法薬物は徹底的に管理して、あくまで売るのは一部の金持ちだけ(それもグレーゾーンな商売をしていたり悪徳ではない物の平民を虐げてる貴族等々)にしたり、スラム街等をアンクル商会と協力してインフラを整備して、商業施設を作り家を作り、需要と供給を作りつつ、スラム街の住民に職を与えて、スラム街そのものをなくしたりと、もはや国がやらなければならないことを率先して行っていた。

 ここまで行くと、裏組織ダーネスは、もはや裏組織とはいえなくなっており、普通に市民からもダーネスと呼ばれて親しまれるようになっていた。


 かくしてアンクル商会及びダーネスは誕生から1年程度で様々な国の様々な国民から愛される世界規模の商会及び組織へと成長を遂げましたとさ。


 めでたしめでたし




―――――――――――


 補足説明

 アンクル商会と会長は皆さんお察しの通り、最初のアルティメットホムンクルスであるアンクルです。

 アンクルは流石に主人公の容姿そのままではアレなのでは、ホムンクルスの特性を使い成長した上で主人公の顔から大分離れたイケメンになってます。

 尚、アンクル含め主人公が錬金術を使って大量のアイテムを生産して販売、利益は割と出る模様。他商品はもう既に利益が出ているからと原価そのまんまで販売。

 他、従業員はダーネスと協力して行き場のない違法奴隷を中心に使い、絶対的な忠誠心を覚えさせつつ、チートアイテムの一つである経験値ストックの指輪を使って、レベルを強制的に20まで上昇させててから、ある程度戦えるように育てることにより、防犯対策もばっちり。

 定期的に従業員達で魔物を狩り、レベルをあげつつ、その素材をアンクル商会の方で販売することで更に利益を確保。

 チートアイテム、無限アイテム鞄を獲得してからは、得意属性に空間魔法を覚えていた従業員を利用して、距離等を完全に無視した輸送費0円を実現して、仕入れ等を直接産地から行えるようになり、原価で販売をしても利益が出る様にある。

 無限アイテム鞄には及ばずとも、超絶大容量アイテム鞄を主人公が作り、それを、空間魔法を覚えた従業員が使用することで、世界各地で素早く、輸出入が出来るようになった。

 錬金アイテムについては、主人公とアンクルの2人に依存する訳にもいかないので、一部店舗を除いて取扱数は大幅に減少したが、それでも、集めた違法奴隷や奴隷の中から錬金魔法を得意属性とする者を集めて、ある程度は供給が出来るようにと体制を整えている。

 

 ダーネスについて、基本的には主人公の11体いるホムンクルスの内、影武者に一体、アンクル商会に一体、チートアイテムや装備収集に一体、経験値を集めるのに五体を除いた、三体が所属しており、日夜犯罪組織をぶっ潰している。

 都合の良い事に、錬金アイテムにて洗脳の勾玉という違法アイテムが存在しており、犯罪組織のリーダ相手にこれを使い、簡単にお手軽な合併吸収を繰り返している。

 元違法奴隷や奴隷に元スラム街の住民に元裏組織のメンバー等の中で絶対的な忠誠を誓える者(アイテム・真実の勾玉にて確認済み)に対しては経験値ストックの指輪を使ってレベルを現時点でのこの世界でのCランク冒険のラインである30まで上げつつ、厳しい特訓を行い、更にレベルを上げて一人前の強者へと育て上げている。

 ダーネスの元には数千を超えるレベル30以上のメンバーがおり、その内の1割程度数百人がBランク冒険者のラインであるレベル40後半以上であり、更にその中の1割、約数十人ものメンバーがAランク冒険者である、レベル60後半である。

 中にはレベル80オーバーのSランク冒険者の枠に存在する。正に一騎当千の実力者も複数おり、その総戦力は計り知れないものとなっている。


 尚、ダーネスの構成員はその都合上、ほとんどは元奴隷や元スラム街の住人等である為に、組織への忠誠心が非常に高く、彼ら彼女らを裏切らせることは不可能に近いレベルであった。


 更に補足説明

 魔王のレベルは86であり、やろうと思えばレベル30程度のパーティーでも勝てますが、ご都合主義設定でこの世界の主人公のみにしか使えないチートアイテム聖剣がないと与ダメージが10分の1となりろくにダメージが与えられないです。

 尚、レベルを99まで上げてスキルも揃えて装備も整えた理論上の最強パーティーで突っ込めば勝てます。

 つまり、今の主人公なら魔王をフルボッコに出来ます。


 補足説明というかネタバレというか一応の再確認。


 違法奴隷を徹底的に潰す姿勢を取っている、魔王というか世界を滅ぼしかねない巨悪すらもフルボッコ出来る戦力を持ったダーネスというのがありまして、えっと、あれ?違法奴隷売買なんて出来る?

 更に言えば世界のほぼ全ての経済を牛耳っているといっても過言ではないアンクル商会とダーネスの手でこの世界の貧困層って割と解消されてるんだよな。

 あれ?あれれ?あれれれ?

 そういえば、主人公が助けたがってるヒロインって、お金に困った親が娘を違法奴隷として売り払ったという設定じゃ・・・。


 あれ?今そんなの出来る。というか許される?


 違法奴隷なんて扱おうものならば、おっかないダーネスが来て全部ぶっ潰すけど。


 あれ?遊戯奴隷、息してる?


 とどのつまりどういうことかというとそういうことです。


 ストーリーはもう既にめちゃくちゃになってます。

 というか世界を滅ぼしかねない魔王から真向にぶつかって勝てる組織が存在してる時点でお察しです。

 魔王とかカスですね。

 

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