俺氏、特訓をする


 俺がグレン・アスフォールに転生してから1年が過ぎた。

 最初こそ戸惑い驚いたが、下手にジタバタしても仕方がないので、全てを受け入れてポジティブに考えることにした。

 ポジティブシンキングって大切だぞ。

 いやマジで大切だぞ。ポジティブシンキングをするだけ割と人生変わるからな嘘建て思ってやってみろ。


 さて、そんな訳で俺は特訓をしている。

 特訓内容は超絶簡単、錬金魔法を使って空気から水を生み出したり、水を分解して空気に溶け込ませてみたりしている。

 まあ、何故こうなるか科学的に説明うんたらかんたらは面倒だし、聞いても面白くない、極論を言えばこの世界は異世界だで終わるから割愛だ。

 大切なのは特訓をしているということだ。


 理由と言えば簡単。

 強くなるためだ。

 魔王殺しの英雄学園という世界では割と危険がいっぱい存在する。

 本編のメインシナリオだって魔王という世界を滅ぼそうとする最恐最悪の化け物を討伐することだし、その途中、シナリオの進め方にもよるけど、国が滅んだりする場合もあるし、学園に攻め込まれる場合もある。

 なんならサブシナリオで魔邪神信仰が学園に攻め込んだり、盗賊ギルドが攻め込んだりしてくる。


 何気に死とは隣り合わせだ。


 それはもちろん、学園に行かずに家に籠ってたら安全かもしれないが、せっかく異世界に、それも大好きな魔王殺しの英雄学園の世界に来たんだ。

 学園に行きたいやん。主人公と関わってみたいやん。ヒロインに会ってみたいやん。推しのヒロインとはお話してみたいやん。あわよくばお近づきになりたいやん。

 精神年齢で言えば40のオッサンだが、心は中学二年生の中二病を患っていた時と変わらないつもりだからな。

 という訳で鍛えるのは必須事項なのだ。

 

 で、今やってるこの空気を利用した錬金魔法ってのは、ゲームでも実際に行われているちゃんとした特訓方法であり、第一作である魔王殺しの英雄譚にも登場した方法だ。

 一応、秘伝扱いということで一般には普及していないんだけどね。

 まあ、転生者である俺には関係ないという話だ。 

 この訓練方法のおかげで俺の錬金魔法の熟練度は非常に伸びている。


 俺の今の具体的なステータスはこれだ。


 名前 グレン・アスフォール

 年齢 1歳

 性別 男

 種族 人間

 レベル 1

 HP 10

 MP 510

 攻撃力 10

 魔力 510

 防御力 10

 俊敏 10

 

 得意属性

 錬金魔法LV5

 

 称号

 異世界転生者


 まあ、現在1歳ということを考えればそこそこ強いとは思うわ。

 得意属性の種類にもよるが、基本的にはLV×100、MPと魔力のステータスが伸びる仕様になっているので、1歳にて510の魔力とMPを持ってる化け物になっている。

 といっても、逆に言えばそれだけ、戦うという点で言えばまだまだ弱いし、所詮ひ弱な1歳児。

 更に言えば俺の持つ得意属性は錬金魔法だ。

 戦闘系統の魔法ではない。

 いくら努力しようと、理論上は全ての得意属性を自分のものにできる最強主人公や、火炎魔法や氷結魔法に暴風魔法、暗黒魔法や神聖魔法といった戦闘において絶対的な力を発揮するヒロイン達には勝てない。

 いやまあ、ヒロイン達は頑張れば勝てるかもだが、最強主人公は無理だ。絶対に無理だ。主人公だけあってマジで化け物だからな。

 といっても主人公が女の子とイチャイチャしまくればだけど、してない主人公はそこまで脅威じゃない。いやまあイチャイチャしまくるからこの問答はさして意味はないな。


 取り敢えず、特訓をする意味はあるし、特訓をしなくていい理由にはならない。

 今日も今日とて頑張って錬金魔法の特訓をしますか。







―――――――――――


 主人公が最強になって組織を作る所までかなり駆け足で進ませます。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る