第二話 砂の国
『砂の国』。
国土の約七割を占める多種多様な砂を、建物にも衣服にも道具にも料理にも治療にも使用。
植物は点在する大小様々な泉にのみ存在。
食料は空や砂、泉に生きる動植物や、泉の中で作る農作物でまかなう。
一年中、ほどよく雨も降り過ごしやすい気候。
衣食住全てにおいて自国のみでまかなえており、自然災害もなければ、自分たちの手に負えない危険な動植物もいなければ流行病もなく、平和そのものであった。
隣国の『緑の国』から襲いかかる木の根さえなければ。
(2023.8.2)
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