10.大樹の手記 二章(閑話)

 二.種族について


 このトラスには多種多様な種族が生息している。魔人もその一つであるし人間もいる。魔神や天神信仰者とは知性を持つ人型の種族が中心だが、種族で制限されるものではない。信仰は個人の自由であるため魔人や魔族の中にも天神信仰者が、人間やエルフの中にも魔神信仰者がいることに不思議はない。ただしそれぞれの種族が中心となる集落では肩身が狭く生き辛いため、他種族が集まる集落を作り暮らしていることが多いようだ。


 魔人

 二足歩行の人型で大気中に存在する魔素を糧として生命を維持している。魔術を使用するための魔力を体内に有している。調査の範囲内では角の形状で身体特性が決まる、もしくは逆に能力によって角の形状が変わってくる可能性が有り、直線的な角を持つ者は身体能力に優れており、曲線的な角を持つ者は魔術適性が高いようだ。ただこれはあくまで先天的な資質であり逆が苦手と言うわけではない。そのため当人の修練次第で得手不得手は変わってくる。


 魔族

 生態系は魔人とほぼ同じだが外見は魔神に近く、翼を持ち飛行できる者たちが中心である。代表的な種族はガーゴイルやデーモンだが、インプのような小型種も含まれる。高度な知性を持っている種族が多いが、なかには動物と大差ない種もおり、それらは魔物として分類されている。


 魔物

 魔力を持つ獣型の種族。特に魔人や魔族に従順であるなどと言うことはなく、その行動は知性に左右される。スライムのような軟体種やウォーボアやルーンウルフのような動物種、ワイバーンやフェニックスのように飛行するもののいる。中には高度な知性を有している種もおり、当たり前のように会話も可能である。例としてはドラゴン族が揚げられる。


 亜人

 魔人と人間以外で主に二足歩行種族を指し、エルフやドワーフ、オークやリザードマン、ミノタウロス、オーガ等々多岐にわたる。例外としてケンタウロスのような四足歩行種も存在する。知力は種によってさまざまだが最低でも集団行動を取る程度の知性はあるようだ。まれに突然変異なのか高い知性を持った個体が存在する。


 獣人

 亜人の中でも毛皮を纏った人種を大まかに獣人と括っており、土台となっている動物の特性を持つという特徴がある。猫科や犬科が多いが、鳥類の獣人であるハーピーや魚類の獣人で毛皮の代わりに鱗を持つマーマンも存在する。亜人同様知性の高い種や個体が存在する。


 人間

 便宜上人間と表するが、地球の人類よりも身体的に優れる部分が多いが個体差が大きい。知能は高いが攻撃的であり同族同士でも頻繁に争っている。雑食性で欲深く、食料とする以上に、獣や魔物を娯楽として狩る残虐性を持つ。天神信仰の恩恵で、魔術に似た能力である神術を使う者たちがいたが、現在のトラスには天神が居ないためその能力は失われている。魔神と天神の戦いの余波で生息圏は限られている。


 エルフ

 排他的で封建的社会を形成し森や草原に生息する、精霊と似た特性を持つ人型種族。魔術や神術とは異なる、自然の恵みを利用した精霊術と呼ばれる能力を持つ者が多数である。身体能力は魔人や人間よりも劣るが、視力を初めとする五感に優れており、集団で森に潜み弓で攻撃することが多い。


 ドワーフ

 低身長でがっしりとした体躯を持ち、女性でも立派な髭を持つ。先天的に手先が器用だとか金属加工が得意などと言うことはない。岩山を中心に集落を作り鉱山を掘り生計を立てることが多い。


 精霊・妖精

 自然要素を元に発生したと思われる生命体類似の存在。精霊は現在までに地火水風光影血の七種類を確認。半実体で手のひらサイズの精霊晶から人に近い大きさのエレメンタル、そして人型の実態を持つ精霊族が存在している。妖精は様々な形状をしており、花や草木、土壌や食物から産まれ出ているようだ。


 精霊族

 地属性のノーム、火属性のサラマンドラ、水属性のウンディーネ、風属性のシルフが確認されている。光属性はエンジェルだと考えられるが血属性は不明。厳密には精霊族とは異なるが、生命を持たない別の存在としてアンデッド類も存在している。


 他にも多種多様な種族が存在するが、ここで全てを列記する事は難しい。そのうち改めて纏めようと思う。

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