🌕️【掌編小説】昨日という過去

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 遠くを見つめて、明日を待った。

 待たなくても明日は必ず来るけど、ボクは待ったんだ。


 何故、明日は来る?

 何故、昨日には戻れない?


 誰かそのことに疑問を抱かないのか?

 それでもボクは今日、今を生きる。


 昨日には戻れない。

 どんなに頑張っても誰も。


 昨日にあった出来事がもう一度訪れることはない。

 どんなに願っても誰も。


 昨日を無かったことには出来ない。

 やり直すことは出来ない。


 もしもボクが神様だったら、昨日に戻れるのかな。

 もしもボクが神様だったら、昨日をやり直せるのかな。


 そんな非現実なことを考える。


 だからボクは、今という時間を精一杯生きよう。

 たとえ、昨日に取り残されても。


 昨日の……過去の自分を置いて来てしまっても。

 今日という現在を、ボクは生きるんだ。


 だって、ボクは此処にいて、此処で生きているんだから。


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