第4話ーあるひ、いま。
「俺ポテトチップスいっぱい持ってきたから皆で食おーぜ。」
「こら。新幹線にお菓子を持ってきちゃだめでしょう。」
「ちぇ。じゃあ部屋でお菓子パーティーナイトだ!」
「部屋もいけません!まったく、修学旅行にお菓子は禁止って言ったでしょう。」
先生と京助の茶番にクラスの雰囲気も明るくなる。いや、修学旅行だから普通にテンション上がってるのもあるけど。
あはは、と空笑いしながら、俺は前のほうですましている嶺花を見る。うん、今日も安定の顔面大優勝!じゃなくて、なんか謎の石のおかげで俺は修学旅行に時間を巻き戻すことができたんだよな。まだよくわからないことも多いけど、とにかく俺はこのチャンスを絶対逃がさない。何としてもあいつの”ときめきポイント”を狙ってせめる。これが今の目的。
ーしゅっ修学旅行?また時間操作されたわ。あぁーもうなんか慣れてきたわ。まあ修学旅行がなんだろうがスカラマタの主を捜さなきゃ。
ーまぁ、ちょっとぐらい羽を伸ばしてもいいけど。いや、今は青春には手を染めないって決めたの!特に、「あいつ」には…
本当のことを言うと、嶺花は久志の告白をOKしてしまったことがある。だが、そのたびに我に返った。最後の「惚れさせてやる!」のセリフで恋に落ちた顔をしてしまったこともあり、そのたびに過去に戻ってきた。今回の告白も後ろ髪を引かれる自分がいた、そのため時間操作を発動させたのだ。最後のセリフに全くドキッとしない自分になることが目標だ。
「ねー嶺花は、今日夜なにするの??」嶺花の親友の日葵が聞く。
ナイス日葵っ!と俺は心の中で思う。
「そうね、部屋で大富豪でもする?」
「嶺花は他の部屋移動しないの?ほら男子の部屋、行っちゃおうよ。」
日葵が女神かなにかに見えてきた。で、どうなのよ嶺花サン。
「行かないわよ。私たちの部屋でカードゲームでもしましょ。」
オーマイゴーッド。そんなピシャリと拒否しなくていいじゃないですか嶺花サン。。
えー。という日葵の声にこっちのセリフだよと言いそうになりつつ、まあ別のタイミングを狙おうかと思った。流石に男子から女子部屋にいくのはスケベ扱いを受けてしまいそうだ。
「おい高城ぃー。ノリ悪りぃぞー。夜、俺らんとこ来いよ。」 京助サン!?
「いいね!幼馴染くんがいるから嶺花も居心地いいし!」 日葵サン!?!?
「もぉ。そこまで言うなら…しょうがないわね。」 嶺花サマ~泣泣泣
俺は京助と日葵をただひたすら拝みまくった。お前らが友達で心から良かったぜ!今度なんか奢るからな!!
あぁーもー!京助くんと日葵にあんな言われたら断れないじゃない!仕方ないから行くしかないけど、絶対意識しないようにしなくちゃ。
私は「絶対流されない」と3回心で唱えた。
クラス行動が終わり、宿に入り夜になった。そして先刻の通り、私と日葵は久志のいる部屋に行くことになった。
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