第一の王の証明
第6話一階層攻略の証と通常ダンジョン
『一階層のボスであるゴブリンキングの討伐を確認しました。攻略の扉(第一)が付与されます。クリア報酬に転移魔法陣、スキルの書、妖刀『天』、錆びた王星剣を入手しました』
おお、クリアボーナスか………確かダンジョンをクリアすると貰えるんだっけか。いや、待てよ?声は一階層をクリアしたとだけ言っていた筈だぞ。なのになんでクリアボーナスが貰えるんだ?このダンジョンが特例と言うことか?………そういえば規模も一階層のレベルじゃなかったな。ステータスが無かったら攻略にもっと時間が掛かっていた。
だからなのだろうか?まあ、良いや。貰えるもんは貰っとこ。それじゃあまずはスキルの書を読んでみましょうかね。俺はそう考えながらスキルの書を開いてみると新たなスキルの内容が頭に入ってくる。
『スキルの書の閲覧を確認しました。スキル雷速を獲得しました。雷支配の中に存在を確認しました。雷速を変化させます。スキル超速を獲得しました』
お、ちゃんと新たなスキルを獲得できたか。雷速を獲得した時は少し焦ったぞ。まあ、結果的にスキルが変化してくれて助かった。そんじゃあ妖刀『天』と王星剣を雷支配にある収納空間を使って収納するか。それと確か転移魔法陣ってあったよな。
そう俺が考えながら自分の部屋を想像するといつの間にか部屋に戻ってきていた。いや、俺の足元に転移魔法陣があるからそのおかげかな?移動した時もダンジョンに入った感覚が近かったし。そんじゃあ探索者協会にある換金場に行くか。…………いや、待てよ?このダンジョンで取れた魔石を持ってっても盗んだって認定されるだけじゃね?
はぁ、この魔石は勿体無いけど通常ダンジョンに行くとしますか。確かここに一番近いダンジョンは邪妖精の巣窟か。ゴブリンはあのダンジョンの第一階層でお腹一杯なんだけどなぁ。まあ、気晴らしに金稼ぎでもするとするか。そんな事を俺は考えながら俺は悪意支配でそのダンジョンの前に転移をする。
もちろん悪意支配で周りの目を偽装している。まぁ、もうそろそろしなくても良いかな?俺はそう思いながら偽装を解いた。さてさて、このダンジョンのモンスターがどれだけ強いのやら。俺はそう考えながらダンジョンに入った…………しかしそのダンジョンに入ると違和感が襲ってきた。頭に何故?どうして?といった疑問の感情が襲ってくる。
考えに考え抜いた結果、やっと答えが見つかった。それは俺の所有するダンジョンよりも中にある魔力量が少ないからだ。人間の頃の俺なら少しの違和感を感じるだけで済んだのだが、雷人となってしまったから魔力に敏感になったのだ。
雷人は周りの魔力を利用して魔力切れが起きにくかったり、再生速度が高くなったりとするのだが、周りに魔力が無いと活動しにくくなるのだ。だから俺にとって魔力が少ないのは死活問題なのだ。俺の種族の中に悪魔人があるから倒れずに済んでいるだけだ。
俺は雷支配で思考加速をしながらそんな事を考えていた。まぁ、問題ないだろ。俺はそんな事を思いながら天に手を置きながら歩いていく。そうして歩いているとゴブリンに遭遇した。このゴブリン、俺のダンジョンのゴブリンより弱いな。そんな事を考えながら俺はゴブリンの首を切った。
俺はゴブリンの魔石を雷支配に収納するとゴブリンを探しに歩き出した。それからゴブリンと遭遇して切る、それらを繰り返していたのだが、ゴブリンが多すぎるのだ。俺のダンジョンレベルではないのだけれども、普通のダンジョンにしては異常なのだ。
俺はダンジョンを急ぎながら走っているとボスモンスターの扉で人が固まっていた。一体どうしたんだ?そう思いながら俺は集まっている人に聞いてみた。
「あの?何故皆さんは此処に集まっているんですか?」
「はぁ!?お前夕陽ちゃんの配信を見てねえのかよ!?今この中に夕陽ちゃんがいてイレギュラーボスモンスターに遭遇してるんだよ。見てみろよ!夕陽ちゃんがボロボロだ!なんとかして開けないと」
その筋肉質の男性はそう焦りと怒りを混じえた感情を俺にぶつけてから扉の方向に向いた。……はぁ、しょうがない、助けるか。今の俺の力は俺の為にあるんだ。だから俺が助けたいと思ったから助かる。そう自分に言ってから集まっている人達に『どいてください』と言ってから俺は扉に魔力をぶつける。
やっぱり、ここもかよ!俺のダンジョンも耐性が途轍もなく強かった。それはダンジョン共通なのだろう。こんなにも膨大な魔力を使用しているのに壊れる素振りすら見えはしない。それから俺は更に魔力を扉に込める。そうすると扉にヒビが入ってきた。ヒビが入ったらそこからは簡単だった。ほの入ったヒビから魔力を侵食させて壊した。
壊れた先に見たものはゴブリンジェネラルが女の子に大剣を振り翳して殺そうとしている所だった。俺はその大剣に天を合わせてその大剣を切った。しかし今までので結構体力が消えてしまった。先ほども言った通り、雷人は魔力をエネルギーとしているので魔力が少なくなると体力が減るのだ。そしてここみたいに魔力が薄い場所だったら尚更。
「ちょっと君!なんで来たの!?君が扉を壊したのは見た。だけど君はもう満身創痍じゃない!だから私を置いてさっさと逃げて!」
「うるさい!俺の力は俺が思うがままに行使するためにある!俺はお前を助けたい。だからお前は黙って俺に助けられろ!」
俺が無茶苦茶言っている自覚はある。確かに俺は今満身創痍だ。魔力も体力も殆ど無い。だけど一度助けると決めたのなら!背中を向いて逃げる訳にはいかないんだ!
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