第22話 冒険者飯


「さてと、充分楽しんだし、これから料理しますか…」


「静子さんって結構スタミナがあるんだね…凄いよ!」


「うふふふっ、セレスくんが居るからかな?」


「俺?! 余り大した事してないと思うけど?」


「セレスくんが、してないなら! この世の男全部が何もしてない事になるわ! 私、夫婦で冒険者をやるのが夢だったのよ…」


「そうなの?!だけど、村民になって結婚したって前に聞いた気がするけど?」


「うふふふっ、自慢じゃないけど、4人ともそこそこ美人だから、言い寄って来る男は多かったわ…だけど、私達の戦い方を見たら大体の男は離れていったのよね…」


「そう…なんだ、俺はセクシーで好きだけど?」


「そう言ってくれるのはセレスくんだけだわ」


「そうかな?」


「そうよ…私の戦い方は、セレスくんが見たみたいに高揚感を高めているから笑いながら戦うし、ハルカ(剣聖リダの母親)は細剣を使うけど、目を狙うから卑怯者とか言われてね…ミサキは大剣を使って相手を叩き潰す様に戦って、サヨは氷結呪文を使って相手をバラバラにするから…大体大きな事言って近寄ってきた男の冒険者も『考えなおさせてくれ』って去っていくのよ?」


「そう言う物なのかな? 想像した感じまるでゼクト達の戦い方に似ていてカッコ良いと思うけど?」


まぁ、セレスくんは私より強いからそう言えるのよね。


「そう言ってくれるのはセレスくん位だわ…まぁその当時S級まで登ったのもあって、やっかみからか…孤立し始めてね、それでパーティを解散して皆んなして、婚活を始めたわけなのよ」


「そうなの? 俺からしたら、セクシーで逆の意味でヤバいけど? 恍惚の表情で…獲物を狩る姿は…ごめん、凄く厭らしく見えて…」


「うふふふっ、そうね、ある意味理性を外すような呪文だからね、かなり欲望にも忠実になるわ、だけど安心して、ああなるのはセレスくんだからよ!」


「本当に?!」


「ええっ、だってあくまで欲望ですもん! 私がセレスくん以外にしたい…そう思える男なんていないわ」


うふふっ、顔を赤くして可愛いわね。


実際に過去で此処迄、野獣みたいに『男性を求めた事』なんて無かったわ。


うふふっ、まるで獣みたいだったわ。


性欲の次は食欲…私も大概だわね…


気のせいか、随分と若返った気がするわね。


「さぁ、それじゃ、料理するわね、まずは首を斬り落として血抜きしてから、半生でソテーして食べましょう」


「半生?」


「うん、これも数少ない冒険者や猟師の特権なの! オークもミノタウルスも狩りたてなら、生でも食べられるのよ!ミサキなんか、生が好きな位なの…初めてなら少しは炙った方が美味しいわ」


「でも生で食べられるなら、俺も食べてみたいな」


「そう、それじゃ食べてみようか?」


「うん、美味しそうだ」


「そうか?! セレスくんは普通に刺身を美味しく食べているんだから、そうよね…それじゃ生で食べようか?」


「そうだね」


美味しい料理も良いけど…こういう冒険者飯も…うん美味しいわ。





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