第4話 変態に最悪のイベントは憑き物である
遅刻した日は憂鬱だ。なぜならこのクラスの連中が俺がどんな頭のおかしなことをするのかワクワクしながら目線を向けてくるからである。だからこそその期待を裏切る
「なんで遅れたんだ」
「寝坊です。すみません」
「そうか」
どうだよ。お前らの期待を裏切ってやったぞ。見せもんじゃないんだ。
でも離れていく目線を見て少し悲しくなる俺であった。
テストも終わったことにより周りはもう体育祭ムードだった。そして、今俺にはあの前の一軒から近づいてくれた友人ができた。そうその名も、神戸昊(こうべそら)である。こいつはとにかく普通な奴で足の速さもテストの点数もすべてが平均くらいであり、俺と友達になったことを除いては変な行動もしない。多分
「なー勇気体育祭何に出るか決めたか」
「あーでもあの意味の分からんリレー中にきれいなこけ方を競うずっこけリレーとやらはする気はない」
本当になんだよこの競技。そんな競技こけて快楽を覚える変態しか参加しないっつーの。あいにく俺は変態側の性癖は持ち合わせていないんだな。
「普通のリレーには出ないの?」
「いや正直悩ましい」
なぜおれがこう思うのかというと俺は足の速さには自信があったからだ。普段よく思われていないやつが体育祭で活躍とか最高の場面だろ。それをできるかもしれないからこそ悩んでいた。だが俺は決めた。
「やっぱり出ようかな リレー」
「それがいいな」
「でも待て、ずっこけリレーとコラボしたりはしねーよな」
「さすがにないだろー面白いこと言うなお前は」
昊さんそれがこの世で知られるフラグというやつなんですよ。今の時代発言はコンプラ 相手を傷つけないか そしてフラグにならないかをよく考えてしてくださいよ。
4限目になった。この時間は体育祭の出る競技を決める時間だった。
「今日は体育祭の出る競技を決めてもらうぞ。体育委員の奴は前に出て進めろ。」
「はいーー」
おいおい思ってた体育委員と違うな
俺が思っていた体育委員はそんなかわいらしい女ではなく、もっとこうなんていうか 筋肉バキバキの坊主の熱血みたいなイメージだったんだが。でも出てきたのはかわいい女だった。
「おい前から体育委員ってあいつだっけ?」
「なんでお前知らねーんだよ。自分であいつ立候補したんだぜ」
「んーー?あーーーなるほどな」
「なにが分かったんだ?」
あーあのときか。俺寝てたわ多分。いやーやっぱみんなが夢中になってんのに一人だけ興味なさそうに寝てるとかかっけーって思ってた時だな。
「おいなにが分かったんだよ?」
「ゆわせんなよ恥ずかしい」
「は?」
そんなこんなと会話していると
「リレー出てくれる人ーー!」
よし行くか。
おれは手を上げようと脳から腕に伝達したが、腕からの返事は「NO」とのことだった。
「っく」
「どうしたんだよ行かねーの?」
「いやいきたい。だが俺の腕が くそ」
多分みんなの前で走るというプレッシャーでこの腕が行きたくないと叫んでいるのだろう。
俺がうでについて苦しんでいると
「お前って前から思ってたけど頭おかしいな!」
「なん・・・・・だと・・・・」
俺が頭おかしい。このセリフはあの中二病先輩に俺が思った言葉だ。それと同類だと・・・確かに魔法少女の件であったり否定はできないが・・
そうこう言っているうちにリレーの選手が決まってしまった。
「あーもう 昊のせいで俺の活躍がみれなくなったじゃないか」
「なんで活躍できるって決まってるんだよ」
「だって俺、1位しかとったことなかったからな・・・」
「嘘だろ お前スゲーじゃんほんとになんで出なかったんだよ」
「だから言ったじゃないか。」
「へー例えば何の大会で1位とったんだ?」
仕方ない教えてやるか。俺の戦記を
「幼稚園の運動会で一着」
「へ へーほかには?」
「幼稚園のかけっこで1位」
「ほかには、、、」
「幼稚園でやった鬼ごっこ」
「・・・」
「ほかにもあるけど」
「ん?もういいわ お前のことはよくわかった!」
「そうか!」
こいつも俺の戦記を聞いて引いてしまったらしい はっはっは。ハイハイ言いたいことわかってるよ。バカなのかだろ。友達と久しぶりに話した奴のギャグセンスはこんなもんなんだよ。いちいち言うんじゃねー
「次はーずっこけリレー出る人ー!」
おいおい嘘だろ。2人も手が上がっているだと・・・
あいつらとはかかわらないでおこう。
「んーーあと2人足りないなー 」
「誰か出てくれないかなー」
体育委員の彼女がかわいらしい声で全体にお願いしてるが、出る人はいない。当たり前である
すると彼女の目線がこちらを向いた。
「神戸昊君とかやってくれないかな?」
「え、なんで!?」
ほんとになんでだ かわいそうに昊あとはがんばれ!
俺は次に俺のほうに火花が飛んでこないように昊を裏切り精いっぱいの他人のふりを決め込んだ。
「マジでなんでおれ?」
「それはねー」
女が昊に近づいていく
「ゴクリ」
「君普通だからどうせずっこけリレーしても目立たないって!」
この女言いやがった。こいつほんとに昊に出てほしいと思ってんのか。だったらおかしいだろこんなんじゃ昊は絶対オッケーなんかするわけ・・
「やらせていただきます」
「ありがとう!!」
ん?なんで?おかしいでしょ。結構お前ディスられてたんだぞ?
「まあ みんながやりたくないならしてあげるのが男なんですよ」
「かっこいいーー!」
「まあ!」
あ こいつあれだ。久しぶりに目立ててうれしいプラス、女にかっこいいところみせれていると思ってだいぶテンションが上がっているんだ。
「あと一人誰かやってくれないかな。」
「誰もやりたがらないのをやるのが男の筋だよな!勇気!」
こいつやりやがった 友達のこと売りやがった。おかしいだろ俺がお前に何を知ったていうんだよ。ちょっと、体育委員の人がこっち来てるんですけど。
「勇気君やってくれるの?」
おっとー急に下呼びされて動揺が隠せないんですけど。ちょっとやめてなんでそんなキラキラした目を向けてくるんですかね。
「や、やりませんよ。俺このクラスの人の中で1位2位争うレベルで嫌なんすよ。俺じゃなきゃいけないどーしてもの理由があったら別ですけど。」
「えっとーーーーーーーーーーーーーー」
ちょっとシンキングタイム長くないですかね。そんな無理にがんばって出す必要ないですよ。てか出さないで。それ聞いたら悲しくなる気しかしないから。
「あ!」
彼女は何か思いついた様子だ。心の防御力を上げ、受け止める準備をした。
緊張が走る。
「それはねー」
「ゴクリ」
「勇気君って変に目立つこと慣れてるでしょ。だから一番この競技にあっている気がするんだーーー!」
「・・・」
一つ分かったことは・・・この女・・・俺はだいっきらいだ・・・・
「どうかな?」
「え ころしますよ。でるわけないでしょ」
「なななんでーーー!?」
どうやらふざけじゃなくて本気で出ると思っていたみたいだ。
「えーー体育委員として上にお願いしとくよー 体育祭の時コスプレを許可してくださいって」
「ちなみに何のコスプレ?」
「え そりゃ勇気君といったら魔法少女でしょー。 なにその質問 面白いなーー勇気くんは」
全然面白くないですね。もう何なの元井勇気と言ったら魔法少女っていうくだりもうやめようぜ・・・
「出てくれる?」
「出ません」
「なんでぇ!?」
このくだり何回やるんだ俺は永遠に出る気はないためあと何億回でも言ってやるよっと思っていたが、このかわいらしい女子にこんな態度をとっていると周りから男たちがかこってきた。
「おいさっきからなんでそんな強い口調で川井さんに当たるんだよ!」
川井?あーこの女の名前か。てかおいおいなんでおれが悪いみたいになっているんだ?おかしくね。
川井のほうに目線を下す
「ニヒ」
ニヒ?
すると急に
「うわあああぁぁぁあああんひどいよぉ勇気くんんんnーー」
川井が泣き出した。いや違う泣いたふりだ こいつ・・・
「お前泣かせやがったな変態野郎め」
「変態って言うな!あと昊お前なんでそっち側言ってるんだよ。」
すると昊は急に男らしい声に変えていってきた
「勇気おれ女の子だけは見捨てることはできねーんだよ。すまんがかばいきれん!」
こいつ女一人でなんで唯一の友達をみすてるんだよおかしいだろ!
あれもこれも全部この女のせいだ。ちくしょーもっと怒ってやりたいができる状況じゃない。今は泣くふりをやめさせなければ。
「おーい川井さーん泣くのやめてくれませんかね・・・」
「ぐすん。じゃあ出るって言って。」
「いやーちょっとそれはむr」
「うわあぁぁぁぁぁんんん」
「っちょ」
周りの男たちから殺気が感じ始めてるんですけど。俺の人生のゴールってここなの!?死因は女のウソ泣きで唯一の友達一向に撲殺?冗談じゃねー!くそ・・・くそったれーーーー!
「わかったわかったやりますー!俺はずっこけリレーにでますからーーーーー!」
「ほんと!?」
この女さっきまで号泣位の声出してくせにきれいな顔しやがって。おれは体育祭でリレー中にきれいにこけれるかとかいう頭のおかしい そう頭のおかしい競技に出なければならないのか・・認めたくなかった・・・・・
「はい・・・」
「よしこれで4人そろったねーー仕事完了!」
はは でろって言われた理由ってなんだっけ。この頭のおかしい競技に俺があってるからだっけ・・・はは
昊が近づいてくる
「一緒に頑張ろうな!」
「うん!死ね!」
続く
次回は体育祭だよ!
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