2月21日③

 .





 約2時間後……。


『ちょ……、ダメですよっ!!』

『○×△□☆~っ!!!!』

「…ん?」


 わたしは大部屋の病室に戻ってシュウト君と話をしてたら、病院の廊下から何か争うような声が聞こえた。


「何だろうね?」

「さぁ?」

「………。あれ? 今、“さくら”って聞こえたよ」

「まさか」


 わたしには、関係ないと思った。


『さくらぁーっ!!!!』

「………」

「さくらちゃん。あの声って……」

「シュウト君。空耳だよ」

『さくらちゃんのお父さん、病院の廊下は走っちゃダメですよ!!!!』


 バタバタ、と足跡が近付いてくる……。


「あ、やっぱり」

「……お父さん」


「さくらっ!!!!」


 走って息を切らしながら、わたしのお父さんが大部屋の病室に降臨した……。


「………」

「こんにちは。さくらちゃんのお父さん」

「よぅ、シュウト! さくら、お前……」

「なに?」

「母さんが言ってたんだが、たたっ、退院出来るって……?」

「……うん、ほんとだよ」

「そうかそうか」


 わたしの言葉を聞いて、お父さんはすっごく嬉しそうだった。


「………。お父さん」

「何だ?」

「……後ろ」

「さくらちゃんのお父さん?」


 お父さんの後ろには看護師さんがいた。


「はい?」

「ちょっと大事なお話があるので、ナースステーションナーまで来て下さい?」

「!!!?」

「……お父さんの馬鹿」

「何やってんのよ、あいつ……」

「あ、お母さん」


 お父さんがナースステーションへ向かう為、大部屋の病室を出て行ったら入れ違いでお母さんが入ってきた。


.

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