父の苦労、母のストレス、姉の苦悩、妹の涙④
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お姉ちゃん……。
お父さんとお母さん、親戚の人が集まってわたしがいつ死んでも良いように“お墓はいつたてる?”って話になった時、
「大丈夫だよ。さくらは絶対に目を覚まして、『どうしたのぉ~?』ってヘラヘラ笑って笑顔を見せるよ」
お母さんは半分半分で、お姉ちゃんは一人だけ、わたしが絶対目を覚ますって信じてくれたんだって?
そう言った当時、お姉ちゃんはお父さんに怒鳴られて叩かれた、らしい。
でも、お姉ちゃんの言ったことは正しかったね。
お姉ちゃんはそれをいばって言えるよ。
お父さんはお姉ちゃんを怒鳴って叩いたことをちゃんと謝りました。
お姉ちゃんと妹は、わたしが入院している間、学校はお母さんの実家の町の学校に通ってた。
普通は一時的の転校はあり得ないらしいけど、お父さんもお母さんもその小学校の卒業生で事情を話したら、校長先生が許可をくれたんだって。
……それがいけなかったらしく、詳しいことは聞いてないから分からないんだけど……。
お姉ちゃんは、そのことでクラスの男子たちから、からかわれたらしい。
それが嫌で、お姉ちゃんは小学校に行きたくないって言っていた時があった。
ごめんね、わたしが病気で入院したせいだよね……。
でも、お姉ちゃんをからかったクラスの男子たちの一人が、笑い話でお姉ちゃんのことを自分の家族に話したら、その子のお祖父ちゃんは怒ってその子を叩いて、お姉ちゃんへ謝りに来たらしい……。
その後、お姉ちゃんをからかった男子は皆、その男の子のお祖父ちゃんに怒られ、全員姉ちゃんに謝りました。
きっとお姉ちゃん、わたしが思っている以上に色々辛かったよね……。
本当にお姉ちゃん、ごめんね……。
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