15日間の真実②

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『―――お墓は、何処に建てるの……?』


『さくらちゃん───死んじゃうの……?』


 わたしは……。

 ………死ぬの?

 死ぬのは、決定なの……?



 ……わたし、死ニタクナイ……。


 ……デモ、生キル為ニ身体ニ障害ガ残ルナラ……。


 ……障害者ニナッテ、家族ニ面倒ヲ見テ、モラウクライナラ……。


 ……重荷ニナルナラ……。


 ……わたしガ、生キテイク意味ナンテナイ……。



 ―――ドクン……ドクン……。



 今、わたしの目の前に、わたしがいる……。

 ベッドの上で、口に酸素マスク、身体にはいっぱい機械をつけられ、呼吸をして、“生きてる”わたしがいる……。

 ……我ながら、自分の姿が無様だと思った。

 みっともないね……。

 わたしの身体は、自分が障害者になることを知らないんだね。


 多分わたしは、自分のこの身体の中に戻って目を覚ましたら、自分が障害者になってることも分からないんだろうね……。


 だからね、わたし―――決めたの……。

 ……自分で自分のことを、ちゃんと理解している内に……。



『―――ゴメンね……』



 ―――ピー……。



 わたしは自分の意志で、自分の心臓の音を止めた……。


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