15日間の真実
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気が付くと、わたしは自分の家にいた。
家の電気は全て消えてて、真っ暗だった。
「みんな、何処へ行ったの……?」
わたしは家の中の部屋を全部調べて、家族を探した。
でも、お父さんもお母さんもお姉ちゃんも妹も、誰一人家の中にはいなかった。
家族4人で“かくれんぼ”でもしてんじゃないかともう一回、家の中で家族を探してたら―――声が聞こえた。
目を閉じて、ゆっくり目を開けると、今度は家の中ではなく、夏休みに入院した病院だった。
『医師。さくら―――うちの娘は一体……?』
『……大変言いづらいのですが……』
わたしの目の前にお父さんがいた。
お父さんは、医師と二人で話してた。
良かった……、まずは一人見つけた。
「お父さんっ」
わたしはお父さんを呼んだ。
でも、わたしの声は聞こえなかったのか、お父さんはわたしを見ない。
(そっか。人と話している時に、話に割り込むのはダメだよね)
わたしは二人の話が終わるまで、話を聞きながら待つことにした。
『―――60%です……』
「………?」
何が、60%……?
『……目を覚ましても、恐らく脳や身体に“障害”が残るかと……』
『そんな……。じゃあ、“さくら”は……』
……え?
お父さん、今、わたしの名前を言った……?
何で、わたしが出てくるの……?
―――“ショウガイ”って、何……?
『……助かるのも、残念な結果になるのも、さくらちゃん次第です……』
『……60%ダメなら、残りの40%…さくらは目を覚ますんですよね……?』
『……はい。しかし、今言いましたが、身体の何処かに障害が残ると思います……』
『……障害……』
……意味が分からない。
わたしは、死ぬ……?
目を覚ましても、身体に障害が残る……?
嘘、でしょ……?
嘘って、言ってよ……。
『可哀想にねぇ……』
『まだ、10歳でしょ……』
『小学生でなんて……』
―――色んな声が、聞こえてくる……。
ヤメロ……。
『親より先に……』
『親不孝者』
ごちゃごちゃ……うるさい。
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