収集した情報[祖母の遺品]
・Folxブログ「うりうり子の日々是無常」2009年4月7日分より引用
亡くなった祖母は写真愛好家だったんです。
祖父が早世した後、老後の嗜みにしてはえらい本格的に写真にのめり込んでいったみたいで。特に人を題材にした写真を撮るのが好きだったみたいです。
そんな祖母の遺品整理をしていたところ、貴重品なんかを入れていた鍵付きの戸棚の奥に、大きめのアルミ製の箱が出てきたんです。米菓なんかが入っているような無地で銀色のあれです。
何の気無しに開けると、そこには写真が目一杯に詰められていました。たぶん千枚とか二千枚とかあったのかな。目を疑ったのが、全ての写真が顔の整った20代~40代の男性のもので、望遠レンズで盗撮したと思しきものも多かったのです。
自作ブロマイド、とでもいえば伝わるでしょうか。
あの優しかったお祖母ちゃんにこんな仄暗い趣味があったなんて、と動揺してしまったのですが、しかしそういうものとはちょっと趣が違うみたいなんです。
なぜなら、全ての写真一枚一枚に。
「こいつじゃない」
そう、書かれていたんです。
箱の蓋の裏には、ぼろぼろに擦り切れた和紙が貼ってあり、おそらく祖母の手書きと思われる誰かの似顔絵が書かれていました。中庸な、整った顔の男の絵。
祖母は誰を、何のために探していたんですかね。
亡くなる前に、見つけることが出来たのかな。
【筆者メモ】
まだ足りない。
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