Re:Re:Re:Re:ホラー小説のプロット案

失踪者情報提供のお願い―捜索支援機関Webサイト

[探し人　些細な情報でもお知らせください]

・（顔写真は削除されました）

行方不明者の名前…佐伯　景太郎

行方不明のふりがな…さえき　けいたろう

当時の年齢・性別…23 歳・男性

身長・体重…179 cm・95 kg

最後に目撃された日時…2017/5/22

職業…会社員

特徴…読書好き、右眉頭に大きな黒子、人と顔を合わせて喋るのが苦手

情報…2017年に大学卒業後、板橋区内の会社に入社。5月22日に勤務先を退勤後、行方が分からなくなっています。最後に目撃した会社の同僚の方によると、自己啓発セミナー？　勉強会？　のようなものに参加するようなことを話していたそうです。スマートフォンを所持していますが、現在は電源が入っていない状態です。

ご家族からのメッセージ…もう口うるさいことは言いません。家族皆が待っています。元気にしているかどうかだけでも教えてくれませんか。父や母に言いにくいことがあるのなら、どうか兄だけには連絡してあげて。

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・（顔写真は削除されました）

行方不明者の名前…祢津　由紀

行方不明者のふりがな…ねづ　ゆき

当時の年齢・性別…37歳・女性

身長・体重…150～160 cmほど・ 60 kgほど

最後に目撃された日時…1999/8/下旬

職業…専業主婦

特徴…目が悪いがメガネをかけない、ボランティア団体に所属

情報…千葉県松戸市内の自宅より近所へタバコを買いに行かせたところ、そのまま戻らず。葛飾区にある親族の家に寄ったが、特段変わった様子はなかったとのこと。当時の服装は部屋着にエプロン、サンダル履き。小銭入れは持っていったが、通帳や印鑑などは自宅に残したまま。直近では、なにか顔に関する悩みがあるような素振りがあった。

ご家族からのメッセージ…嫌なことから逃げたって仕方がない。どこにいこうと誰かが見ているものだ。自分のしでかしたことがわかっているなら、早く戻ってこい。あれの面倒を見るのは一人だと大変だ。義姉一家だって心配している。丸石さん、阿良井さんという方が、わざわざ訪ねてきてくれた。預かりものがあるから連絡をしなさい。

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・（顔写真は削除されました）

行方不明者の名前…森山　麻里衣

行方不明者のふりがな…もりやま　まりえ

当時の年齢・性別…19歳・女性

身長・体重…156 cm・ 49 kg

最後に目撃された日時…2019/10/9～13

職業…大学生

特徴…山形弁、内股歩き、左手中指に手術痕、そばアレルギー

情報…足立区の私立大学で読書サークルに在籍。夏頃までは合宿やバーベキューなど積極的に活動に参加していたが、九月頃に突然ふさぎこむようになる。しばらく山形県酒田市の実家で療養した後に復調。サークルの先輩に会いにいくと言って上京した後、行方不明に。会いに行くと言っていたサークルの先輩に電話はしていたものの直接会っておらず、千葉県市原市のコミュニティバスに行方不明者とよく似た人物が乗っているのを目撃されたのが最後の足取り。

ご家族からのメッセージ…今になってわかりました。まりちゃんの言っていたことも、顔のことも、聞き流さないでぜんぶ受け入れます。だからどうか戻ってきてください。これからどうすれば良いのか、教えてください。

【筆者メモ】

　2022年10月、ネットでのネタ探し中にて発見。

　念願叶ってようやく通った「顔の怪異」のアイデア案だったはずが、編集者から手のひら返しのNGの知らせを受けた後、不貞腐れつつネットを徘徊していたところ見つけたのが、この行方不明者の捜索支援をするグループのホームページ。

　どんな理由にせよ「顔の怪異」のアイデア案がNGとされた以上は、さっさと切り替えて代案になるものも用意すべきなのだが、しかしどうにも今一つ気が乗らなかった。気がつけばだらだらと顔に関連する恐怖を感じるものや、顔に関連する不可解な証言があるものをネット上で漁り続けている始末だった。

　何より、顔の怪異というものがある、という設定で世の中を見て回ると、想像を遥かに越えて話を広げられそうなネタがそこかしこに転がっているのだ。

　この記録においてもそうだ。人と顔を合わせて喋るのが苦手。顔に関する悩みがある。顔に関するトラブルがあったと思しきメッセージ。顔に関連する不可解な語句さえ出ているだけで、そこに不穏さや潜在的な恐怖を見出だせる。

　それはつまり、この「顔の怪異」のアイデアは、バリエーション豊富な展開が可能な優れものということだった。

　私はこのアイデアで一つ作品を書きたくて、仕方がなかった。

　どうにか編集者のNGを撤回させることは出来ないかと思い悩む。