子育て中のパパ・ママ交流サイトの投稿

[育児なんでもBBS]

投稿日:2001 /12/01(土)

投稿者:H・K(松戸市)


息子のたくみは三歳になったばかり。最近言葉が増えておしゃべりが出来るようになったのは嬉しいのですが、まだまだ言い間違えることもたくさんあります。

「ブロッコリー」を「ぶっころり」程度は可愛らしいしわかりやすいもので、「お腹へった」を「えった(=減った)」「いただすする(=いただきます、をしたい)」と言ったり、「駄目」「雨」「飴」「納豆」を一緒くたに「まめ」とすることもあったりと、なかなか言いたいことを理解してあげられないことが多い!

息子も意味が伝わらないとやっぱり面白くないみたいで「もう! ちやう!(=違う)」とむくれてしまうので、必死に解読を試みて頭をひねる日々が続いてます(笑)


この前もそうでした。市営の児童館に遊びにいったところ、最初は他の子たちに混ざって引っ張ったらカタカタなる車のオモチャや、お気に入りの動物のパズルなんかで楽しそうに遊んでいました。それがある時突然顔を上げて固まって、それまで遊んでた合体するロボットの玩具を抱えて私のもとに駆け寄ってきて、


「こおだるの、こおだるの」


真剣な顔で、そう言うのです。

私はよく考えてみましたが意味がわからず「なあに? こうなる? 変形するよってこと?」「それとも、こだわる?」だとかそんな風に聞き返しても「ちやうちやう」といってまた「こおだるの」と必死に繰り返すのです。

息子は私の困った顔を見て笑われているのだと勘違いして「わらってる、いや! やめよ(=駄目よ)!」と、今にも泣き出してしまいそうになるほどにヒートアップ。

「笑ってないよ、ごめんね」となだめても「ちやうちやう」と首を振るばかり。周囲の親子さんたちも不思議そうな顔でこちらを見てくるしほとほと困り果てていたところ、近くにいた女の子が色々なオモチャの積まれた背の低い棚を漁っているのが見えました。その子が奥にあった目当ての人形を取り出そうとした拍子に何かが引っかかり、いくつかのオモチャが転げ落ちて音を立てたのです。

息子はその中のひとつを目で追って、金切り声を上げて飛び上がりました。


「ママあ! こおだるこおだるのぉ!!」


もはや半狂乱状態な息子。私はそれでようやくピンときました。

転げ落ちてしまったオモチャなんかに混じっていた、女性の白いお面。いわゆる「おかめ」とか「おたふく」というのでしょうか。民芸品のような和紙製で、よく納豆のパッケージに描かれていたりする、薄く微笑んだ平安時代の貴族の女性みたいの雰囲気のお面が表になって床に落ちていたのです。そう。お面とは「かお」を模したもの。

「たっくん、もしかして『顔がある』っていいたかったの!?」

息子は怯えた目を向けて、壊れたように何度も頷きました。

「大丈夫大丈夫、あれは本物のお顔じゃないよ。お顔を真似て作ったただのオモチャなの。だから全然こわくないの。ほら見て、ただの偽物でハリボテでしょ?」

私は床から生えているかのようなそのお面を拾い上げて、そのお面を裏返して見せたりしました。息子は呆気に取られたような、それともどこか不思議そうな表情で考えこんで、やがて「しょなの?(=そうなの?)」と呟いて大人しくなりました。


その後は普通に遊びを再開できた息子。

だけどよっぽどそのおかめ顔のお面が怖かったのか、時折顔を上げては軽く身震いして首をふったりして思い出し怖がり? みたいなことをしばらくしていました。


たしかに、とつぜん人の顔だけが現れたらびっくりしちゃうよね(笑)

可愛そうだったけど、何も出来ない赤ちゃんだったころと比べると、ずいぶん発想が豊かになったなと感心しちゃいました。ちょっと前まで寝返りも打てなかったのに、近頃はよちよち歩きどころが、ジャンプしたり走ったりするのも上手になってきたんだから、本当に子どもの成長って早くて驚きますよね。


【筆者メモ】

 2022年9月、ネットでのネタ探し中にて発見。「顔」に関する奇妙な話。内容を読む限り、子供が怖がり始めた際の位置的に母親の側にある棚のお面を見ているようには考えにくい。だとすると、この子は何の「顔」を怖がっていたのか。

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