トラック5【手料理】 私、料理には自信があります!(フラグ)

//場所 キッチン


【位置:正面 距離:中】


「それじゃあ、キッチンをお借りしますね」


//SE ヒロインが歩く音


「綺麗なキッチンですね、これは大切に使わないとですね」


//SE ヒロインが冷蔵庫を開ける音


「本当にここにある食材、使わせてもらっていいんですか?」


「そうですか、ありがとうございます」


//SE ヒロインが冷蔵庫を閉める音


【位置:正面 距離:近】


「腕によりをかけて、美味しいお料理を作ってあげますからね!」


「あ、キミはキミの部屋で待っていてください」


「えへへ、作るところを見られてると、なんだか恥ずかしいじゃないですか」


「でも、私、お料理には自信があるんです、任せて下さい、大丈夫です!」


「え、嫌な予感しかしないって?」


「何を言ってるんですか、今までに私が嘘をついたことがありますか?」


「料理が出来上がったら、お部屋へ持って行ってあげますからね」


「ではでは、また後で」


//SE キッチンのドアが閉まる音


//SE ドア越しにキッチンから、鍋が落ちる音、皿が割れる音、強く物を叩く音


//SE 主人公がキッチンのドアを開ける音


【位置:正面 距離:中】


「あ、入ってきちゃダメです!」


「まだできてないから!」


//SE ヒロインが駆け寄る音


【位置:正面 距離:近】


「大丈夫だから、そっち行ってて!」


「出来上がってからのお楽しみですよ!」


//SE キッチンのドアが閉まる音


//SE ドア越しにキッチンから、強く物を叩く音、ガスバーナーの音、火災報知器の音(程なく止まる)、コップが割れる音、ガスバーナーの音、F.O


(しばらくの間)


//SE ヒロインが歩く音


//SE 主人公の部屋のドアを開ける音


【位置:正面 距離:中】


「おまたせしました、できあがりましたよ!」


//SE ヒロインが歩く音


【位置:左耳 距離:近】


「うふふ、さあ、今、テーブルに並べますからね、そこに座っててくださいね」


//SE 料理をテーブルに並べる音


「なんだか表情が硬いですね?」(配膳をしながら)


「可愛い女の子の手料理に緊張しちゃったのかな?ふふふ」


「ん?もう、何言ってるんですか」


「これは、石炭のコールタール掛けじゃなくて、オムライスにデミグラスソースですよ」(嬉しそうに)


「え?こっちの鉄鍋の中で煮えたぎってるモノは何かって?」


「それはコーンポタージュです」


「ふふふ、このコンポタは私の得意料理なんですよ」


「さっきスープカップに注いだら、熱さのせいか、カップが割れてしまったので、お鍋のまま持ってきました、えへへ」


【位置:正面 距離:近】


//SE ヒロインが座る音


「さあ、配膳が終わりましたよ」


「どうぞ召し上がって下さい」


「うふふ、愛情たっぷりのアツアツ料理だからって、食べる前からそんなに汗をかいて」


「どうしました?遠慮してるんですか?」


「あ、もしかして、食べさせて欲しいんですか?」


「もう、甘えん坊さんですね」


//SE ヒロインが主人公の隣に座る音


【位置:右耳 距離:極近】


「しょうがないなあ、じゃあ、私がキミの隣に座って、食べさせてあげますね、特別ですよ?」


「それじゃあ、まずはオムライスから…」


「あーん」


「どうして顔を背けるんですか?」


「ほら、こっちを向いて、お口を開けて」


「あーん」


(少しの間)


「ふふ、目を白黒させていますね」


「そんなに美味しかったんですか?」


「じゃあ、もう一口…」


「あーん」


(少しの間)


「美味しい?美味しい?美味しい?」


「あは、美味しいんだ、良かったぁ」


「えへへ、どんどんお口に運んであげるから、たくさん食べてくださいね」


「疲れたときや、落ち込んでるときは、美味しいものを食べるに限りますよね」


「お腹空いてるのはダメ、絶対。もっと元気なくなっちゃいますから」


「私、お料理には、人を元気にする力があると思うんです」


「だから私、将来コックさんになりたくて、えへへ」


「え、お水が飲みたい?」


「はい、どうぞ」


「普通のお水じゃ味気ないと思って、わたし秘伝の味付けをしておきました」(得意気に)


「あ、咳き込んでる、大丈夫ですか?」


「さあ、もっとお水を飲んでくださいね」


「え?お水はもういいんですか?」


(少しの間)


「落ち着いたようですね」


「ではでは、次はコーンポタージュを」


「これは少し熱いかもしれないから、ふーふーしてあげますね」


「ふー、ふー」


「はい、あーん」


「美味しい?」


「熱かったですか?」


「はい、お水」


「え?いらない?そうですか」


「もっと、ふー、ふーした方がいいみたいですね」


「ふー、ふー、ふー、ふー」


「はい、あーん」


「どうですか?」


「まだ熱い?」


「猫舌なのかな?」


「え?そもそもスープの熱さが尋常じゃない?」


「うーん、分かりました、じゃあ、次は念入りにふー、ふーしますよ」


「ふー、ふー、ふー、ふー」


「ふー、ふー、ふー、ふー」


「はい、あーん」


「美味しい?」


「そう、良かった!ふふふ」


「どんどん、どうぞ」


「ふー、ふー、ふー、ふー」


「ふー、ふー、ふー、ふー」


「はい、あーん」


「どうですか?」


「無口になってきましたね」


【位置:右耳 距離:近】


「あっ、立ち上がっちゃダメ、お食事中に行儀が悪いですよ!」


「そう、きちんと座って」


「ふう、やっぱり私がしっかり捕まえておかないとダメですね」


【位置:右耳 距離:極近】


「そうそう、いい子ですね、ふふふ」


「次はまた、オムライスの方にしましょうか」


「自信作のデミグラスソースをたっぷり絡めて…」


「はい、あーん。」


「美味しいですか?」


「うん、良かった」


「やっぱり、自分が作った料理を食べて、美味しいって言ってもらえるのは、嬉しいですね」


「えへへ、なんか、頑張って作って良かったなって」


「よりちゃんなんて、『優花の料理は国際条約で禁止されている』とか『私は劇物取扱の資格は持ってない』とか言って、なかなか食べてくれないし」


「あ、よりちゃんは私のお友達ね」


「すっごく可愛くていい子だよ」


「ちょっと口は悪いけどね、ふふふ」


「あれ、白目むいてる」


「疲れてたから、寝ちゃったのかな?」


「ふふふ、食べながら寝るなんて、赤ちゃんみたいで、かわいい」


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