起床・現在時刻
「ふ、わぁ……よく寝た……」
「んん……今、何時だ?……ぐぅ」
「わわ、もう二時です!」
「に、じ……?ド深夜かよ……大声出すな……」
「何寝ぼけてるんですか!昼間の二時です!十四時!」
「は?え、もう?……って当たり前か」
あくびをしつつベッドを下り、とりあえず顔洗うか、とぼんやり考える。
「なんでそんなに悠長にしてられるんですか!もう今日半日以上終わっちゃいましたよ!」
「何を今更。いいだろ、どうせ今日仕事休みなんだから。予定もないし」
「えー!せっかくですし、どこか行きましょうよ!ああ、こんなことしてる時間ももったいないです!」
「わ、おい、押すな押すな」
一丁前に頬を膨らませつつ俺を部屋から押し出そうとしてくるので、ぴしりと額をはたく。
「大体なぁ……誰のせいだと思ってんだよ……」
「あ」
「俺が家に入ろうとしたら急に『やっと帰ってきた!』とか言って強制的に自分の部屋に引き込みやがって。しかもそのままゲーム三昧。アクション?パズル?アドベンチャー?種類が豊富で結構なことだな。んで俺が少し付き合ったら調子乗って何時間やった?気づいたらド深夜だったよな。帰るっつっても財布やらスマホやら隠してことごとく邪魔してきやがって。子供か?俺はまだスーツも脱いでなかったんだが?」
「うわぁ……完全に口が悪くなってます……。寝起き悪いの忘れてました……」
「寝起き悪いのは関係ない。お前の自業自得」
「で、でもちゃんと夕食出したじゃないですか……」
「お前の言う夕食はポテチとコーラなのか?ポテチの味にバリエーション出せばいいなんて思うな?時間的にもただお前が食いたかっただけの夜食だろうが」
「ぐぅ」
「挙句の果てに寝る直前になって何が『今日も疲れましたねぇ』だ。急に乗り込んできやがって。そこからまた散々付き合わせて俺の眠りを妨害して……。おかげで気づいたら空白みまくり、カラス鳴きまくりだったよな。朝の健康的な時間だよ。それで何度も帰れって言ってんのに結局俺のベッドで寝落ち。ベッドだって大して広くないんだが?」
「だってここで寝ていいって言った……」
「あ?」
「うぅ、なんでもありましぇん……」
「そんなの前にお前を追い出したら、自分の部屋どころか俺の部屋の前でぐーすか寝てたからだろうが。追い出したと言っても俺のことベッドに突っ込んだ後、自分で帰るって言って自分でドア開けて、戸締りまでして出て行ったよな?同じ並びの人がたまたま帰ってきて声かけてなかったらどうしてたんだよ。絶対翌日まで寝てたろ?あのとき何も言われなかったけど明らかに俺が閉め出したようにしか見えなかったからな?」
「確かに隣とは言え、ちゃんと確認しなかった俺も悪かったと思う。でもそこで寝るか、普通。俺の家のドア閉めて、即そこで寝たってことだろ?ドアの前まで三、四歩でつくんだぞ?どうしてそれすら出来ないレベルで帰るとか言ったんだ?あの日大丈夫かって再三確認したよな?そうしたらベッドにぶち込まれたわけだが」
「そのとおりです……」
「終わったことを言っても仕方ないな。でも、昨日は違ったな?」
「は、はい……」
「もう俺はずいぶん前に数えるのを諦めた。キリがないと気づいたからだ」
「……」
「何か言うことは?」
「ま、誠に申し訳ありませんでした……」
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