第28話
古海と共に遊園地へと行った日より早いことで一週間。
平和な時間はそうそうに過ぎ去り、土曜日がやってくる……今日は愛梨とデートをする日である。
家から出たくない、一生引きこもっていたい。
うぅ……百万円。百万円のためだよ、僕。頑張るのだ。
なんやかんや行ったら楽しいもの。古海とのデートもお化け屋敷はクソだったが、普通に楽しめたのだから。
「ということで今日は私とのデート。どこか行きたいところなどありますか?」
朝イチに家を出てカフェ。
まったりとカフェで朝食をいただく中、愛梨が僕へと疑問の声をあげる。
「そうだな……映画がいいな」
愛梨から希望を問われた僕はスマホから視線を上げて答えを告げる。
そんな僕の手にあるスマホにはとあるアニメの映画広告が映っている。
「この映画見たい。昔、ちょっろとこのアニメ見て面白かった記憶あるんだよね。ちょっと気になる」
これが広告の理想系。
そんな様相で広告の映画へと興味を持った僕は愛梨へと希望を伝え終える。
「なるほど。そう言うと思い、予めその映画の予約をとっておりました」
「どういうこと?」
僕は愛梨の言葉に疑問の声をあげる。
そういうと思いって何?今、たまたま広告で興味が出てきただけなんだが?
それを予期してたって何?どういうことなの?
「良いわよね、この映画。私もずっと気になっていたんですよ」
愛梨は本当に人間なのだろうか?
そんなことを考えている僕を無視して愛梨はどんどん話を進めていく。
「ふふっ、これを食べ終えたら一緒に映画館に行きましょう。急がなくともいいですよ、予約していた時間に余裕はありますので」
「……うん」
よく考えてみればこいつは高校ながら年報一億超えている正気でないストーカー。
もはやきっと今更なのだろう……。
「おいしー」
僕はそっと視線を遠方に向け、朝食をいただくのであった。
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