第27話
お化け屋敷。
やはりそれは許させざる存在だ。ありえない。何のために存在しているのか。何故わざわざ恐怖しに行くのか。理解できない。恐怖しないやつがいたとしても、今度はそいつがお化け屋敷に行く理由がわからん。恐怖も驚きもない中で恐怖を与えることをコンセプトに作られた場所に行って何が楽しめるのか。何を見て何を楽しむというのか?心底理解に苦しむ。いや、もはや苦しむなどというレベルでは無い。己では絶対に理解することの出来ぬブラックボックスだ。宇宙を超えた謎。
「はぁーーー」
「ぐふっ、ぐふふふふふ」
深々とため息をつく僕に何故か時折何かを思い出したかのように気持ち悪い笑みを漏らす古海。
「一体何があったのですか?」
一度お化け屋敷に行き、そこで精魂付き果て、その後に気分転換でジェットコースターを乗り回して夕方。
夕食を食べる前に僕と古海は家の方に帰ってきていた。
夕食前の夕方に帰ってくる、これは予め三人が決めていたルールだ。
「お化け屋敷は死すべき」
「……わかる」
僕の言葉に神楽は同意する。
「なるほど……次に聞きたいのは古海の笑みについてですが、詳しく聞くと私のナイフがうっかり宙を待ってしまいそうなので聞かずにおきます」
「聞いたとしてもそんな物騒なことするなよ?何があろうとも」
「来週を楽しみに待つこととします」
「……うぅ、何故、私……負け、うぅ」
デートに関しては毎週土曜日の三週間、一週間で一人のペースで進められていくことになっている。
三人の意見に僕が口出しし尽くしてそうさせた。
「ぐへへへ」
「ふふふ。私は来週のことだけ考えていましょうか」
「……遠い」
嬉しそうな古海。
怒りに震える愛梨。
さらに震えている神楽。
「とりあえず夕食食べようぜ、夕食。なんやかんやで疲れてお腹すいたわ……ってか、今日の夕食担当は僕か。みんな何食べたい?」
そんな三者へと僕はそう告げるのだった。
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