第25話
遊園地を高速で駆け抜けるジェットコースター。
やはり、そこには一定以上のロマンがあると僕は思う。
速さ、楽しさ、ダイナミックさ。
どれを取っても百点満点だと僕は思う。
「きゃぁぁぁぁあああああああああああああああああ!」
「いやっふぅうううううううううううううううううう!」
歓声を上げる僕とガチの悲鳴を上げる古海。
終わった後、そこにいたのは久しぶりのジェットコースターにテンションを上げる僕と死んだような顔つきの古海の二人が残るのだった。
「ど、どうだった……?楽しかった?」
「もち」
自分が苦手なのにも変わらず僕が好きだからと付き合ってくれる古海……実に良い女である。
まぁ、そんなこと僕の知ったることではないのだが。
「もう一回行こうぜ」
「うん、行こ!」
僕と古海は共に二度目のジェットコースターへと向かうのであった。
■■■■■
三周ほどジェットコースターを楽しんだ後、僕たちは遊園地内で昼食を取ることにしていた。
「この遊園地は売店が美味しいことでも有名なんだよね」
「へぇー。そうなんだ。随分とまぁ珍しいところだね?」
遊園地で売店をお勧めするってなかなか珍しいんじゃないだろうか?だからこそ売りになるのかもしれないが。
「それで?何食べる?」
「そうね……私とはここで一番有名だというもちもちの太麺焼きそばが食べたいんだけど、和葉はどう?」
「良いじゃん。そこ行こうよ」
僕は古海の言葉に同意し、その焼きそばが売っているという売店へとやってくる。
そこにたどり着いた僕は迷いなく預かっていた古海の財布を取り出し、その財布からのお金を入れて食券機で食券を買う。
「うし、じゃあ、行こうか」
食券を持ち、受付へと向かおうとする僕。
「あっ、食券を渡すのは私がやるね?店員さんが女性だから……和葉は私以外の女とい話しちゃだめだからさ」
そんな僕から自然な手付きで食券を奪い取って古海が受付の方へと向かう。
「お、おう……」
いきなりヤンデレの片鱗をしっかりと見せてきた古海に僕は若干引きながら彼女のあとを追うのだった。
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