第22話
はっきりと三人に好きではないと言い放った僕であるが……どんな反応が来るのか、ちょっとだけ内心ビクついていたのだが、ありがたいことに三人は特に際立った反応を取ることもなく、僕はそのまま平和な生活を送れていた。
「ねぇ、和葉。私たちと一緒にどこかで出かけにいきましょう?」
「どこがいいですか?私としては
「……食べ放題」
五日間にも及ぶ平日を乗り越え、休日へと突入した土曜日の朝。
僕の元に幾つもの冊子を持った三人がやってくる……やってくると言っても三人は普通に僕の狭い部屋の中に住んでいるので、ただ彼女たち三人が床で寝ているリビングの方から僕のいる寝室の方に来ただけど。
「え?嫌なんだけど?んで、そんなことしなきゃいけないの?」
三人の申し出に対する僕の答えは簡潔であった。
「「「……え?」」」
三人の申し出を一蹴に帰した僕を前に三人は固まる。
「んで、行けると思ったん?どんだけ都合の良い頭しているの?僕は基本的に引きこもりなんだよ」
僕は基本的に家でダラダラ過ごすのが好きなのだ。
個人でも配信出来る動画配信アプリでヤ二カス歯抜けギャンブル中毒者が所属している5面ステーションなど、金を持っていない最底辺を生きる人間の人生をかけたギャンブルを見るのが良いのだ。
冷房を利かせ、布団に包まってハーゲ〇ダッツを食べながら見るのが。
「そ、外も良いよ?」
「そうです。いつも動画を見てダラダラ過ごすというのも飽きてくれるのではないでしょうか?」
「……うんうん」
「じゃあ一人で戦略ゲーでもしているわ」
僕はのそのそと寝室のベッドから手を伸ばし、隣に置いているゲーミングPCの電源をつける。
後はポジションをベッドからゲーミングチェアへと移すだけだ。
「………百万円上げるわ」
「乗った」
僕は古海の言葉を受け、意気揚々と立ち上がる。
「一人百万、僕と一対一でのデートな?お前ら三人とは嫌。それでいいなら行こう」
「行こう!」
「行きましょう!!!ふふっ」
「……デート。むみみ」
良し、臨時収入三百万ゲットぉー!実に素晴らしい。デート一回で百万。どんなパパ活よりも高額だ。実に良い。
……あと、やっぱり気になるんだけど神楽の『むみみ』は笑い声なの?
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