第18話
やはりと言うかなんというべきか。
高校の方には愛梨だけではなく、古海と神楽もちゃんと転校してきた……どういう手を使ったのか、三人とも僕と同じクラスである。
本来であれば転校生はもっといろんなクラスに散らすでしょ。
ということで僕を超える問題児三人がクラスの一員に加わったわけだが……。
「ジュース買ってきてくれてありがと」
「うん、これくらい大したことじゃないよ!」
「それなら良かった……じゃあ、僕の委員会の仕事である花壇の手入れを頼んで良いかな?」
「うん!任せて!」
「他の二人よりも役に立って見せるから!」
見事、僕は三人をパシリとして有効活用出来ていた。
「……あのさ、そんなにパシらせて両親は痛まないの?」
何もクラスに僕は友達が玲衣しかいないわけではない。
僕の仲の良い友達はそこまで多いわけじゃないが、それでも数人の友だちはいるのだ。
そんな友達の一人である鈴木真奈が若干の引いたような視線と共に女の子を三人パシリにしている僕へと声をかけてくる。
「え?僕に良心があると思う?」
「なさそうね」
「一番仲良いと思う僕が断言するけど、和葉くんには良心なんてないよ」
「玲衣?」
僕は一瞬にして敵へと回った玲衣へと圧をかけ。
「おい、あまり玲衣へと圧をかけるなよ?可哀想だ」
それを間宮凛が諫めてくる。
真面目で弱いものをいじめを許さない凛としては僕の行為を許せなかったのだろう……一応僕は凛がポンで玲衣へのいじめに気付いていなかった間、玲衣をいじめから救ってあげているんだけどね?
「いや、大丈夫だよ?間宮さん……ちょっと僕ってばMだったみたいで……和葉くんから圧かけられるの少し快感になっているから」
そんな中、玲衣が異次元の援護を口にする。
「お、おぉう……」
それに対する凛の返答は当然ドン引くようなものであった。
「にしてもマジでなんでこいつがモテんだ?」
そんなやり取りを側で見ていたクラスで玲衣の次に仲の良い男友達である大宮秋斗が話の内容を変える。
「顔」
玲衣のドン引き発言から話を転換させる秋斗の素朴な疑問に対する僕の答えはただ一言である。
「僕とお前とじゃ顔の次元が違う」
「ちょっと表出ろ、ぼこぼこにしてやる」
はっきりと断言した僕に対してがブチ切れるのだった。
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